第58回壱岐市美術展覧会(市美術協会主催)が14~16日に壱岐文化ホールで開催され、絵画43点、写真47点、彫塑・工芸28点、書32点の計150点(89人)が展示された。
16日に各賞受賞者41人の表彰式が行われ、全部門の中から最高賞にあたる「山口幹雄賞」は絵画「アイリス」を出展した勝本町の吉岡博子さん(80)が受賞した。
吉岡さんは夫を亡くした25年前から「老後の楽しみに」とサークルで絵画を習い始め、市展はほぼ毎年のように出展を続けてきた。平成18年に「壱岐文化協会賞」を受賞して「描き続けてきたことがこのような賞で認められて、もう満足」と思っていただけに、最高賞の受賞は「まさか、という気持ちでした。身に余る光栄です。もう80歳になりましたが、この賞を励みにこれからも描き続けていけたらと思っています」と感激した。
作品「アイリス」は、勝本朝市で購入して部屋に飾っていたものを描いた。「何度も描き直しながら、コツコツと1年間かけました。花色の青にはこだわり、試行錯誤しました。体調の良い日だけの作業なのです。その気負っていない気持が良かったのかもしれません。息が詰まると絵筆も詰まるものです」と創作への取り組みについて語った。
壱岐新聞社賞は絵画「午後のひととき」を出展した石田町の松本美智代さんに贈られた。
吉岡さん、松本さんの作品をはじめ県知事賞、市長賞、市教育委員会賞、新聞社賞、壱岐文化協会賞を受賞した計21点は、27日まで小金丸記念館で、28日から来年1月25日までは一支国博物館で「特別展」として展示される。
◆市美術展覧会受賞者
▽山口幹雄賞 絵画「アイリス」勝本・吉岡博子
▽県知事賞 坂口彰一(絵画)、森山静子(彫工)、松山秀樹(書)、牧山武(写真)
▽壱岐市長賞 斉藤弘子(絵画)、梶田聖子(彫工)、熊本長治(書)、立川千賀子(写真)
▽市教育委員会賞 渡野栄治(絵画)、野元敬純(彫工)、西村光國(書)、作元順子(写真)
▽新聞社賞 松本美智代(絵画)、山内昌子(彫工)、宝亀智津子(書)、原田登志子(写真)
▽壱岐文化協会賞 長嶋清亮(絵画)、吉永昭子(彫工)、豊永由美子(書)、鳥巣修(写真)
▽市美術協会賞 植村多恵子、豊坂元子、宮津富子、深山彰子、田口和夫、末永利代子(以上、絵画)、空閑清子、横山良治、山川生男(同彫工)、西純子、山口優子、吉野俶子、川久保瑠未、石原美津子、瀬川美枝子(同書)、篠﨑和雄、土谷つや子、作元正隆、平田春子、西野恒信(同写真)