本市での2度目の離島甲子園が閉会した。心配された天候は、暑さの厳しさはあったものの降雨中止はなく、無事に全日程を予定通り終了できたのは何よりだった。本市の2チームは決勝には残れなかったが、八重山対決となった決勝戦では、両チームにそれぞれ敗れたブロックの選手たちが迫力ある応援合戦を展開。離島球児の交流を深める素晴らしいシーンだった。
4球場には担当の政策企画課職員らが張り付き業務をこなしていた。その労は労いたい。一方で同課が担当するスポーツイベントはこの離島甲子園だけ、しかも11年ぶり地元開催で仕方がない面もあるが、運営に慣れていない点もあった。最も気になったのはライブ映像配信を委託した島外業者や民放テレビ局カメラマンが試合中のグラウンド内で撮影していたこと。イニング間や試合前後ならまだしも、プレー中のグラウンド内に立ち入ることは通常考えられない。危険である上、プレーに支障を来たす恐れもある。それを誰も注意しなかった。
大会前に報道関係者向けの説明会が開かれず、取材ルールが徹底できなかったことも原因だろうが、投手の球数制限、試合時間制限、給水タイムのタイミングも報道陣に知らされていなかった。
通常は外野フェンスがない大谷公園、芦辺ふれあいには仮設フェンスが設置されたが、両翼も中堅も90㍍の「三角形」だった。グラウンドのサイズから仕方がなかったのだろうが、通常の野球では見られない形。ウレタン素材やカーボンの使用で「飛ぶバット」に進化していたこともあり、詰まった当たりでも本塁打が多発し、投手の負担を考えると一考の余地があった。また、臨時で設置された手動カウンドボードは、担当者不在で稼働しない試合があった。
次の壱岐での離島甲子園はまだ10年以上先だろうが、他の部署が所管するスポーツ大会や合宿も含めて、例えば観光連盟内に「スポーツ課」を設けて、すべてエキスパートが運営する方式に改革してはどうだろうか。