社説

長期的なスパンで少子化対策を

白川博一市長は市議会定例会3月会議の施政方針で、真っ先に「少子化対策」について言及し、基本目標の中で結婚支援、こども家庭センターの設置、出産祝い金・出産子育て応援事業、保育料無償化、福祉医療費の拡充、学校給食費の負担軽減、私立幼稚園の預かり保育料・副食費無償化などの具体策を次々に表明した。平成28年に215人だった出生数が、令和3年145人、令和4年107人と激減しているだけに、少子化対策が喫緊の課題であることは、多くの市民も納得することだとは思う。
これらの具体策が実施されれば、確かに「産みやすい」環境は整い、少子化対策にも一定程度の効果は期待できるだろう。だが現在、小中学生の子どもを持つ家庭にとっては、学校給食費の負担軽減以外はメリットのある施策ではない。目先の出生数が増加すれば、あとは突き放してしまうような冷たさが感じられなくもない。
小中学生の子どもを持つ保護者と話すと、金銭的な負担に苦労していることをよく聞く。部活動の遠征費用は中体連など一部を除いてほぼ全額保護者負担になる。陸上競技の場合、本市のグラウンドの土用と県の施設のアンツーカー用ではスパイクが違うし、野球やサッカーのシューズ・スパイクも成長期の子どもだけにすぐにサイズが合わなくなる。野球のグラブも同様だし、しかも高価だ。遠征費用には子ども夢プラン応援補助金はあっても、練習試合などには適用できない。だが何とか子どもの夢や目標を達成してあげたいと無理をしてしまうのが保護者なのだ。
住民税非課税世帯には給付金や各種免除があるが、一定の収入がある家庭は教育ローンなどを抱えていて生活が苦しくても優遇措置はない。せっかくの補助制度も、現実に即していなければ効果は限定的だし、住民税を払っている世帯は不公平感を感じる。
誰もが安心して子どもを産み、育てていけるように、子どもが自立するまでの長期的なスパンで少子化対策を考えていくべきだ。

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