社説

もっと便利なコミュニティバスを

地域コミュニティバスとして「初山オレンジバス」に続いて「はこざきふれあいGO」が運行を開始した。イオン壱岐店は独自の送迎バスがあるが、火曜だけの運行、路線バスのバス停での乗降であり、ありがたいサービスではあるものの、不便さを感じていた人もいただろう。
買い物の場合、宅配サービスなどもあるが、通院はネット診療などが十分に発達しているわけではなく、自ら病院に出向く必要がある。箱崎のコミュニティバスは久原医院、松嶋医院を経由するが、診療科は限られるし、市内で唯一の2次医療機関である県壱岐病院に通院したい人も多くいる。箱崎まち協設立時にまとめられた「箱崎まちづくり計画書」には住民アンケート結果が掲載されているが、やはり県壱岐病院への通院支援についての希望が見られる。
だが地域コミュニティバスは民間の交通事業者への配慮から、原則として地域をまたいだ運行を認めていない。芦辺町の箱崎地区から郷ノ浦町の県壱岐病院への運行は市が認めていない。市は「コミュニティバスから路線バスへの乗り換え」を想定しているが、芦辺~県壱岐病院の路線バスは2時間に1本程度で連絡は難しい。タクシーを利用すると片道3千円以上になり、年金暮らしの高齢者には負担が大きい。
確かにコミュニティバスの利用者が増加すれば、公共交通機関の乗客数には影響が出るだろう。だが路線バスを運行している壱岐交通の場合、赤字が増えれば路線維持のため市がその分を負担しているのだから、経営面では影響はあまりないように思える。タクシーの場合は直接影響するが、実際にどの程度の人数が箱崎地区から県壱岐病院への通院にタクシーを利用しているかを算出して、その分を市が補助するという考え方はできないものだろうか。
コミュニティバスは今後、筒城地区など他の地区でも導入を検討していく必要があるだけに、より利便性を高めるための市のバックアップが必要ではないだろうか。

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