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社説・大谷グラウンドの全天候化を

17日に開催された市中体連陸上競技大会は好天に恵まれたこともあり、計11の市中学・大会新記録が樹立された。好記録の誕生は、生徒たちにとっても大きな自信、貴重な思い出につながるだろう。
陸上競技の記録はグラウンド状態、風、気温など天候に左右されることは避けられない。前日までの雨でグラウンドがぬかるんでいた2015年の大会新記録は1種目だけだった。梅雨時期の開催のため、降雨が続くと開催できないこともあり得る。
選手にはなるべく不公平がない状態で競技を行ってもらいたいし、ましてや中学3年間の練習の成果を発揮する場が雨で失われることがあってはならないと、誰もが思っている。
そのためにも、大谷グラウンドの全天候化ができないだろうか。10日から行われた対馬市の中学総体は、全天候型に改修された峰総合運動公園陸上競技場で開催された。1周300㍍8コースの走路がウレタン舗装され、総事業費は約3億4千万円。このうち約8千万円がスポーツ振興くじ助成金で賄われた。
大谷グラウンドの場合は1周400㍍で、全天候化工事にはさらに多額の事業費が必要だと思われるが、新庁舎建設を行わなかったことで合併特例債にはまだ余裕があるはずで、予算的にはまったく実現不可能な工事でもない。
全天候化には他にもいくつかのメリットが考えられる。アスリートにとっては、県大会が行われる諫早市のトランスコスモススタジアム長崎などと同じ条件で走れることで、シューズなどの準備をしっかりと行うことができ、県大会を想定したペースでレースが行える。土のグラウンドよりも足への負担が少なく、けがのリスクも軽減される。交流人口拡大の面でも、筒城浜ジョギングコースの完成で大学、社会人の運動クラブ合宿が増えているが、本格的な陸上トラックがあればさらに誘致の幅が広がる。
陸上競技レベルが高い本市の特徴をさらに活かすためにも、思い切った投資が必要ではないだろうか。

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