市3役と市議の給料を見直す市特別職報酬等審議会が12年ぶりに行われている。10月20日に第1回、同25日に第2回が開かれ、来年度当初からの改定を目指すため、11月中旬には市長へ答申される予定になっている。
明確な基準のない特別職、議員の給料については、多くの自治体で同様な審議会を設置しており、その答申と議会の議決を経て、給料が決定されている。
今回は「12年間行われていなかったことで社会情勢に変化がある」「本年度に市議会議員選挙が行われた」「市議会から開催の要望があった」の3点を開催理由として事務局が説明した。
会議では、主に県内の同規模自治体での報酬と比較して、現在の給料が妥当かどうかについて論議がされており、今月上旬に予定されている第3回会議で、ほぼ方針が決まる見通し。規定に則った審議ではあるが、取材をしていて違和感を感じる点は、議員報酬について議員本人がどう思っているのか明確にされていないことだ。
審議会委員から「この給料では若い人が議員になりたがらない、とある議員が言っていた」などの意見はあったものの、それは議員16人の総意とは言えない。本当に若い議員を求めたいのならば、定年制や多選制限を設ける条例を自ら設置することもできる。
また「壱岐市だけ政務調査費がない」という意見も出たが、政務調査費が必要かどうかは議会自身が判断して、必要ならば発議すれば良いことで、審議会が「忖度」することではない。まずは議会自体での論議が行われるべきだ。また時期を考えても、選挙の論点にすべきことではなかったのではないか。
その仕事の責任を考えれば、議長38万円(期末手当を含む年収約598万円)、議員30万円(同約472万円)の現在の月給について、多くの審議会委員から「増額しても良いのではないか」と意見が出されていることは理解できる。だがそれを市民が納得するためには、議員自らの説明が必要になるはずだ。