県防災航空隊と市消防本部の合同訓練が6日、大谷グラウンドであり、上空からの消火や孤立現場への隊員の派遣、けが人の救助などの訓練を実施。約100人の市民が見守った。
訓練には、同本部から2018年4月から航空隊に派遣されている江口卓巳消防士長(35)も隊員として出動。要救助者の吊り上げ訓練では、江口隊員が上空約15㍍からホイストケーブルで降下し、地上からけが人を模した署員を支えながら救助した。
航空隊は大村空港を基地に隊長ら隊員7人で構成。年間50~60回の出動がある。
江口隊員は昨年7月、熊本県の豪雨災害の際、孤立集落の救助に出動し、吊り上げ救助も経験した。その出動時、高齢女性は自宅から約200㍍流され、畳の上に飼い猫を乗せていた状態だった。ヘリはコックピットと後方のスペースとの間に仕切りがないため、危険防止のため動物は乗せられないことになっていたが、女性は「猫を連れて行けないなら行かない」と救助を拒否。そこで江口隊員は機内でパイロットに交渉し、リュックサックに猫を入れることで許可を取り付け、無事救助に成功。とっさの機転が迅速な搬送に繋がった。
江口隊員は今月で3年の任期を終えて市消防本部に戻るが「航空隊と顔が見える関係を築き、率先してヘリを活用して初動を迅速にできるようにしたい」と話した。
訓練終了後は、ヘリの一般公開もあり、家族連れらが記念撮影するなどしていた。