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ウルトラマラソン継続が決定。レオパレス21はスポンサー降板へ。

壱岐ウルトラマラソン大会委員会(会長・白川博一市長)が19日、壱岐の島ホールで開かれ、2018年度事業報告、収支決算報告、19年第4回大会の概要などを原案通り承認した。第4回大会は第3回と同様に10月第3土曜日となる10月19日に開催されることが報告された。だが、創業者と現社長が壱岐出身という縁で第1回からメインスポンサーを務めてきた賃貸アパート大手、株式会社レオパレス21(本社・東京都、深山英世代表)が一連の施工不良問題の渦中にあることから、第4回のスポンサーから降板することが確実な状況で、今後は新たなスポンサー探しが急務となり、大会予算も削減が予想されるなど、大会継続へ向けて、いままで以上に市民が一体となった手づくりの取り組みが必要になってきた。

昨年10月20日に開催された第3回大会は、第1回の猛暑、第2回の台風接近という気象的なアクシデントに襲われることなく、好天の中で順調な運営が行われた。大会運営を担った実行委員会も、第1、2回出場者の意見を的確に運営に反映。ランナーの位置情報が把握できる計測システム「応援ナビ」を導入、SNSやダイレクトメールを用いた情報発信、エイドでの飲み物・食べ物の改善、前夜祭の屋内実施など、前回までに不評だった部分を修正した。その結果、ランナーに特化したサイトで、大多数の大会出場者が利用しているランネットの「国内ウルトラマラソンランキング」で、総合評価87・4点を獲得。隠岐の島ウルトラマラソン(島根)の89・3点に次ぐ全国2位の高評価を得た。採点基準が変わったため、得点は第3回の89・0よりも下がったが、順位は9位から大きく上昇した。個別評価では第3回が星1個(満点は星5個)だった「記録計測・記録配信サービス」は星4・5個に大きく改善された。大会が独自に実施したアンケート調査でも「次回も参加したい」が71・3%、「また壱岐に観光などで訪れたい」が96・0%、「エイド運営の満足度」は満足80・2%、やや満足17・8%など、各項目で概ね高評価となった。

だがレオパレス21の問題は大会に大きな影響を与えることが確実だ。第3回の収支決算書によると、運営経費総額は約2924万円で、収入内訳は出場者の参加費約1029万円、協賛金1025万円、県・市補助金8百万円が大半となっている。この協賛金のうち1千万円がレオパレス21からのもので、他の6社は合わせても25万円に過ぎない。白川博一市長は11日の市議会一般質問で鵜瀬和博議員からの「レオパレス21の問題を受けてウルトラマラソンに影響はないのか」との質問に対して「第1回大会から資金面、人材面で多大な支援を受けてきた。1月23日に本社を訪れて、深山社長に直接、大会のお礼を伝えた時に、深山社長から『迷惑をかけている』と言われた。その時点ではまだ全棟調査中で具体的な大きな数字は出ていなかった。その後の報道で、私もどうしたものかと思っていたが、その後に社長付け部長から『近く深山社長から直接電話をするかもしれない』と連絡をいただいた。大変に心配しているが、私個人としては金銭的な支援は難しいのではないかと思っている。だがたとえ支援がなくても大会は継続したい。担当部署には他の協賛企業を探すように指示している」と大会継続に強い意欲を示した。

委員会でも白川市長は「第3回は約5千万円の経済効果があったと試算されている。地域振興、活性化に大きな効果があったと判断できる」とし、第4回大会を実施することを、改めて宣言した。現時点での変更点は、大会参加者数を100㌔を昨年の5百人から6百人に、50㌔を5百人から4百人にすることだけしか決まっていないが、レオパレス21の1千万円を穴埋めする協賛企業探しやクラウドファンディングはすぐには厳しい状況だけに、今後開催される実行委員会では各種経費の見直しが迫られる見通しだ。第3回大会の広報費(約440万円)、設営費(約1千万円)、人件費(約340万円)、事務局費(約360万円)などを削減しても参加者に満足度の高い大会とするためには、新設が予定されているまちづくり協議会など市民のいままで以上の運営参加が必須となる。ピンチには違いないが、心温まる市民のもてなしで、手づくりウルトラマラソンとして生まれ変わるチャンスにもなりえる。

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