地域情報

堀江貴文さんとIki-Biz森センター長が対談イベント。地方の豊かな可能性を説く。

実業家の堀江貴文さん(46)とIki‐Bizの森俊介センター長(34)が11日、壱岐の島ホールで対談イベント「これからの地方の可能性」(Iki‐Biz主催)を行い、大ホールには福岡県や対馬市からの来島者も含め、満席となる約千人が詰め掛けた。森さんが壱岐に来る前に東京で経営していた「森の図書室」、格闘技ジム「FIGHT CLUB428」の頃から親交があり、森さんの誘いで実現した。堀江さんはいつも通りの歯に衣着せぬ言動で「田舎であることのデメリットはいまは何もない」「壱岐で儲ける方法はいくらでもある。すぐに行動に移すかどうかが問題」など、壱岐の可能性が極めて豊かであることを、これまでの経験などを踏まえて語った。

地方の不利全くない

対談は最初から“ホリエモン節”が冴え渡った。森さんに対して「地方は不便だと言う人がいるみたいだけど、森さんは何も不便を感じていないでしょ?物価が安い中で1200万円もの年収があれば、貴族生活でしょ?」と切り込んだ。森さんも「前に住んでいた渋谷とは家賃がまったく違うし、もっと博多に行くことがあるかなと思っていたが、全然行っていない」と現状の生活に不便がないことを語った。堀江さんは福岡県八女市の出身。「壱岐と変わらないような田舎で、僕は情報に触れるのが好きだったので、レンタルビデオも大きな本屋もない町から抜け出したかった。だけど当時と今ではまったく状況が違う。今はスマホとネットがあるから、どこにいても、どんな情報も、欲しい本も手に入る。SNSをやれば誰とでもしゃべれる。海外に行こうと思えば、LCCで格安に気軽に行ける。田舎は不利ということが何もない」と断言した。

ネット活用で外貨を稼ぐ

壱岐で生活していく上で賃金が安いことに関しては「月に50万円程度稼ぐ仕事はいくらでもある。島内ではなく島外の客をターゲットにすることが重要。例えば17Liveという動画アプリでは、元タレントのような女の子が1か月で5百万円も売り上げている。手取りが3分の1でも150万円になる。ネット環境があれば、誰でもどこででも始められる」とインターネットを活用したビジネスの成功事例を紹介。また飲食店については「宮崎の一心鮨光洋や天草の奴寿司は、東京からわざわざ食べに行く人で予約が満杯だ。壱岐は素材が最高なのだから、そういう店をつくればいい。修行なんかしなくても、握りや魚を下す技術などは動画で勉強できる。島内の常連客ばかりを相手にしていては、自分のランクが判らず、緩やかにダメになっていく。グルメは食べ歩いている人が情報を持っている。店主も食べ歩かなければいけない」とアドバイスした。

スマホ1台でどこでも仕事

仕事をするのに場所が関係ないことは、堀江さん自身の生活が証明している。「僕には家がない。全国のホテルや知人の家などを泊まり歩いている。持ち歩くのはスマホだけ。パソコンも1年前までは持っていたが、スマホのアプリが充実してきたので、もう必要ない。パソコンでなければできないのはプログラミングくらいだが、僕はやらないから。この会場もオンライン会員にはつないでいるし、どこでも仕事はできる」と話した。

興味深いニセコ町

いままで見てきた中で興味深い地方都市として挙げたのは北海道ニセコ町。「高速道路は通っていないから新千歳空港から2時間半もかかるし、インフラ整備も資源もない。でもパウダースノーに魅了されたオーストラリア人らが住み着いて、まるで外国みたいになっている。不便な場所だから来るのは長期滞在する富裕層。不動産価格上昇率は日本一だし、銀座並みの土地価格になっているところもある。パークハイアットまで進出したのだから驚く」とニセコ町の成功例を挙げた。また「沖縄の宮古島はインバウンドが増大し、空港が足りなくて、隣接する下地島の訓練空港を、橋を架けて利用するようになった。日本中に空港ができて、当時は無駄と言われたけれど、いまは静岡空港などもすごい需要。何が起きるか判らない」と地方の状況を説明。その上で「壱岐には有人国境離島法の補助金があると聞いた。これはすごいこと。僕の体が100個あったら、壱岐で何でもできる。全国にはおもしろい成功事例がいくらでもあるのだから、マネをするべき」と補助金の有効活用などを勧めた。

堀江さん流回答 来場者の質問

この日の会場では、スマホアプリを活用して来場者からの質問、相談などが寄せられて、堀江さんが回答した。交通インフラの整備が必要との意見には「必要ない。もうすぐ自動運転車が普及するので、スーパーや病院にも楽に行けるようになる」、壱岐には娯楽がないとの意見には「どんな娯楽が欲しいのだろう? ゲームアプリがあるし、スナックとカラオケで十分では」、スターバックスコーヒーがないとの意見には「ネスカフェ・アンバサダーが美味しい。オシャレな空間は作ればいいこと」、壱岐牛の売り出し方に関しては「壱岐牛は美味しいのだから、出し方を変えるだけで名物になる。フィレ肉はステーキよりもカツサンドが合うし、ミノは薄切りで人気を集めている店がある。マネすればいいと思う」などと答えた。堀江さんは現在、AbemaTVで東大受験企画「ドラゴン堀江」を放送中であることから、来場した高校生からは勉強に関しての質問も多くあった。「自分がいま中学生だったら、学校には行っていない。学校の先生よりも林修先生の方が教えるのは上手い。そのスタディアプリを980円くらいで視聴することができる。そのレベルについていける60%の学生には、学校は必要ないと思っている。親は高校くらい行っておきなさい、と言うが、高校の普通科を卒業しても将来役に立つ知識はあまり得られない。それなら鮨の握り方を覚えた方がいい」と堀江さん独自の教育論を展開した。

外からの目線 交流が大事

これから地方が潤うために必要なこととしては「いろいろな人と交流することが大事。自分たちの魅力は、自分たちでは意外に気が付かないもの。自分たちで発信しようとするとピントがずれたものになる。壱岐の良さは壱岐に来た人が見つけてくれる。1人の金持ちがその地方を変えてしまうこともある。僕も参加している(次世代を担うリーダー層が集まる)G1サミットや(著名人がオープンカレッジを行う)エンジン01などを壱岐で開催してもいい。僕もまた来るので、できることから行動に移してもらいたい」と再来島を約束した。

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