県の「がんばらんば長崎地域づくり支援事業」に採択された「壱岐島ごっとり市場プロジェクト」の現状説明と今後へ向けた対策を練る推進会議が8日、芦辺・クオリティライフセンターつばさで開催され、体験メニュー・宿泊事業者など50人が参加した。出揃った体験メニューは勝本・芦辺・瀬戸・箱崎ブロック7、沼津・鯨伏ブロック7、渡良・三島ブロック3、石田・筒城ブロック7、壱岐子ども劇場7、壱岐しま自慢フロジェクト6、勝本浦ツーリズム推進協議会2、田河・八幡ブロック8、那賀・住吉ブロック7、チーム防人11の計65メニューで、4月から観光客や修学旅行の本格的な誘致に活用される。
体験メニューを中心とした「ごっとり市場プロジェクト」は、様々な形で練り直しが行われた。昨年9~12月には体験モニターが実施され、24メニューに市民ら計266人が参加。また壱岐振興局は昨年11月に、県観光連盟、県観光振興課に依頼して、6組12人が覆面調査を実施。それらのアンケートが集計された。
その結果、インストラクターの対応は約8割が「わかりやすい」、体験メニューは約8割が「満足」、島外の人に壱岐の魅力を伝えられることができるかは約9割が「はい」と、その内容については概ね好評だったが、この体験料金でしてみたいかについては4割以上が「してみたくない」、この金額で人に勧めたいと思うかについても4割以上が「思わない」と回答した。
また筆記形式の回答には「安全性の確保」「体験時間が長い・短い」「インストラクターの説明が不足」「壱岐の独自性が不足している(説明が足りない)」「貴重品の保管場所が必要」など様々な意見が寄せられた。
また7団体が昨年11月に沖縄・宮古島、福岡・玄海島、山口・周防大島などに視察を実施(2団体は2月に福岡、岡山に実施予定)し、体験メニュー先進地の実態を調査した。宮古島でシーサー作り、シェルランプづくりなどを体験した石田・筒城ブロックのメンバーは「自分が体験する側になって、料金の高さ、事前説明の少なさ、インストラクターの指導不足などを感じ、改めてお客さんが納得できる体験の難しさ、一緒に作っていく行程の大切さ、ふれあいの大事さを感じた」と感想をまとめた。
これらのアンケート結果、視察結果を検討し、料金、内容、時間などを再検討し、体験メニューの改善に着手。この日までに新たなメニュー一覧を完成させた。
市観光連盟は「同プロジェクトは平成25、26年度の2年間だったが、27年度も1年間延長(総予算額は同額)して、さらにメニューを煮詰めていきたい」と同プロジェクトを壱岐の交流人口拡大の切り札として熟成させていく方針を示した。
基調講演でK&A観光まちづくり研究所の相原勝義所長が「このアンケート結果を見ると、十分に他地区と勝負し、勝てる内容だと考えられるが、多少の手直しは必要」「作った作品には壱岐だと判るシールを貼るなど、壱岐らしさによりこだわってもらいたい」「クラフトメニューは1時間、カルチャーメニューは2時間が限界」「釣り体験は、船釣りなど本格的なものは専門家に任せて、いかだで手軽に体験できるようなメニューを構築した方が良い」「どんなに素晴らしい旅行でもたった一つのミスですべて台無しになるので、細心の注意が必要」などと指摘した。
また旅行者の傾向が以前と変わってきており「癒されたい、仲間を作りたい、自分を磨きたい、社会と係りたいの4つのキーワードが重要になる」とアドバイスした。
会議では他に、壱岐商業高校情報メディア部が「長崎しおかぜ総文祭」で発表したスポーツ合宿の商品化の進捗状況、修学旅行生徒への「交流民宿」での受け入れ計画、市観光連盟ホームページで賛助会員・非会員宿泊施設の情報提供を行うことなどについて報告が行われた。