社説

外国人は個人客をターゲットに。

9月に入ってから、本市のインバウンドを促進する動きが活発になってきた。5~8日に韓国の5自治体の観光関係部署幹部が来島し、交流協力セミナーを開催。11、12日は海外7か国の特派員記者によるプレスツアーが実施された。また13~15日は海外コスプレーヤー招へい事業で、台湾のアイドル2人が市内の観光名所などで撮影を行った。
東京五輪へ向けて、全国自治体が外国人観光旅行客の誘致に力を入れ始めている。本市も市議会9月会議の一般会計補正予算案に「インバウンドおもてなし向上補助金」500万円(県の2分の1補助)を計上し、公衆無線LAN、外国語表記、トイレ洋式化、クレジットカード決済端末などの整備強化を図っている。
だが、本市の外国人観光客受け入れにとって根本的な問題なのが「バス・トイレ付きの部屋数」「ベッドのある部屋数」だ。市観光連盟のデータによると、市内46の宿泊施設のうち、バス・トイレ付きの部屋を有するのは19施設と半分に満たない。ホテルの大半はバス・トイレ付きだが、旅館・民宿はごく一部の部屋に限られている。ベッドについては調査されていないが、全体で100室強程度しか設備されていないと考えられている。
本格的に日本旅行を楽しもうとする個人旅行の外国人客なら、布団での就寝や共同浴場も、日本文化に接する機会と好意的に捉えてくれるかもしれない。だがライト感覚の旅行者や、様々な意見の人が混在する団体旅行となると、これらの設備に不満を感じる旅行者が多いことも想像できる。せっかく壱岐まで来てもらって、不快な思いをさせてしまうのでは今後にとって逆効果となる。
部屋をバス・トイレ付きに改造するのは容易ではない。年間を通した需要がないと、対馬のような大手ビジネスホテルチェーンの進出も困難だろう。それならば、今回のコスプレーヤーのように、本市はターゲットを絞った個人旅行客に特化した誘致を行っていくべきではないだろうか。

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