九州郵船(竹永健二郎社長、本社・福岡市)は1日に開かれた市航路対策協議会(会長・白川博一市長)で、11月1日乗船分からジェットフォイルの全席座席指定化(257席)すると報告した。一般個人客の予約受付開始は10月1日から電話、インターネットで行われ、乗船の1か月前から前日まで、優先席(8席)と病人搬送用席(10席)を除く239席のうち空いている好きな席を予約することができる。予約なしで当日窓口での乗船券購入者は、混雑緩和のためコンピューターによる自動指定となり、好きな席を指定することはできない。
ジェットフォイルの座席指定化、インターネット予約期間の拡大は、市航路対策協議会が昨年1月の会議で九州郵船に対して「ジェットフォイルは全国的に見ても全席座席指定の傾向にある。現在、大多数の利用客が乗船の相当前から並んで乗船している状況だ。高齢者や幼児連れなど社会的弱者救済と家族連れなどが分散することなどを解消するため、座席指定化を要望する」としていた。
またインターネット予約に関しても「現在は座席数が限られ、乗船の5日前までしか予約ができない。時間外の電話予約も受け付けていない。インターネット予約期間の拡大を図ることで利用客の利便性が高まり、電話による予約問い合わせが減少すると考えられる。より利用しやすい環境整備を要望する」と文書で伝えた。
同社は当初、コンピューターシステムを変更するのに莫大な経費が掛かること、同社が以前に実施した乗船者アンケートで過半数が座席指定化を望んでいなかったことなどから、座席指定化に慎重な姿勢を見せていたが、白川博一市長が会長を務める市航路対策協議会の正式な要望を受け入れる形で実施を決めた。
同社の万谷住雄壱岐支店長は「システム変更に約9千万円、ヴィーナスⅠとⅡの座席配置を統一する工事などにも経費が掛かった。電話予約での座席指定は以前よりも時間が掛かるようになるため、オペレーターの増員も必要だが、乗船客が長時間並ぶことを解消できるなら乗船者サービスにつながると考えて決断した」と経緯を説明した。
予約は乗船日の1か月前の午前9時から前日までで、電話は午後5時半まで、インターネットは深夜0時まで受け付ける。インターネット予約は10月上旬から2週間程度、サーバー変更のためシステム休止期間が設けられる予定となっている。
インターネットの座席指定は、乗船券予約後に座席配置図が表示され、空いている好きな座席をクリックすれば指定できる。
電話予約の場合、手元に座席表がなければ、1・2階、左・右・真ん中、窓側・通路側などの希望を伝えれば、オペレーターが希望の席を探して指定する。優先席を希望する場合は、電話のみで予約を受け付ける。
九州郵船は「団体旅行などは1年前から予約を受け付けているため、1か月前でも希望の席がない場合がある。また多客便に複数人数で予約する際には、席が離れてしまう場合がある。今後、繁忙期などで、不乗船対策として事前決済を設定することも考えている」と予約の際の注意点や今後の方針について説明した。