6人の新議員が決まった。前回の2013年は新人の赤木貴尚さんが1555票でトップ、同じく新人の土谷勇二さんも1122票を獲得して4位と、新人2人が選挙戦で存在感を示した。今回も新人の山川忠久さんがトップ、2位も新人の清水修さんと、新人がワンツーを決め、植村圭司さんも5位で千票を超える得票だった。
また前回の赤木さんは当時43歳で立候補20人の最年少だったが、今回の山川さんも39歳で最年少。浮動票を握る支持候補を決めていない市民が、議会に対し新しい風と若さを強く求めていたことが、この2回の選挙結果から伺える。
本紙が出口調査を行った壱岐高校期日前投票所でも山川さんへの投票がトップだった。若い世代はより年齢の近い、気持ちを分かってもらいやすい候補に市政改革を託したのだろう。ただ、16人の当選時平均年齢は前回が58・8歳で、今回は58・5歳と若返りが進んだとは一概に言えない結果でもあった。
浮動票は期待が大きければ大きいほど、結果に満足できなければ見切り方も早い。1期目の赤木、土谷両議員は、経験不足な面はあったかもしれないが、一般質問などで積極的に発言するなど十分な働きをしていたように見えたが、今回の得票数は前回の6割程度と大きく落ち込んだ。新人議員には「経験がないので」などと言い訳はできない、厳しい議員生活が待っている。
一方で、地盤に根付いた基礎票の重要さも鮮明だった。落選した4人、13~16位当選と苦戦した4人は、いずれも11人が立候補した郷ノ浦町の候補だった。他の3町の候補はすべて当選した。
また、山川さん、清水さんは引退する今西菊乃議員、市山和幸議員の、植村さんは死去した深見義輝元議員の後任として、地盤を引き継いだことが高得票につながったと見ることができる。
4町合併から13年が経過しているのだから、そろそろ4町意識、地元意識が薄まってもいいのでは、とも感じた選挙だった。