壱岐の「食の魅力」を高級駅弁で島外にアピールする「壱岐弁プロジェクト」(壱岐振興局企画)が始動した。18日に長崎市で開催されたディスティネーションキャンペーン(DC)全国宣伝販売促進会議に出席した全国の旅行会社関係者270人に、博多駅から長崎駅までの列車内で提供された。
同プロジェクトは壱岐振興局地域づくり推進課が音頭を取り、市農協、各漁協、観光連盟などに協力を呼びかけて始まった。
同課は「壱岐は、壱岐牛、米、野菜、海産物など恵まれた食材が豊富にある一方、素材のままの出荷がほとんどで、加工して付加価値を付けた島外への売込みが不足している」と、高級弁当「壱岐弁」を島外で発売することで、壱岐の知名度アップにつなげ、島内の雇用創出、所得向上を目指している。
ビューホテル壱岐の協力で完成した「彩り御膳・壱岐弁」は、壱岐牛ローストビーフ、サワラの西京焼き、イカブリバーグ、アワビしゅうまい、うにめしなど9品目で、販売する場合の価格は2千円に設定した。
DC関係者に対しては味・量、品数、価格、壱岐らしさなどについてアンケートを実施。詳細な集計は今後行うが「『おいしかった』『壱岐にこんな食材があることを知らなかった』という声が多く、『今後のツアーにこの弁当を組み込みたい』というありがたい言葉も頂いた。料理の詳細なお品書きを付けたことが好評だった」と同課は手応えを感じ取っていた。
今後は、アンケートなどを参考にメニューや容器などを再構築。外部アドバイザーの意見も聞き、単品メニューの開発、大手百貨店催事のイベント出展、製造業者の選定なども含め、来年度中に軌道に乗せることを目指している。
最終目標としては1日5百食の販売で、原材料価格、人件費、利益のトータルで年間約2億2千万円の外貨が島内に落ちることを目論んでいる。