市議会定例会8月会議が11日に開かれ、慣例に従い2年間議長を務めた町田正一議長(62)が「一身上の都合」を理由に辞任。町田議長の指名推薦で鵜瀬和博副議長(46)が市議会第6代議長に、副議長には鵜瀬議長の指名推薦で深見義輝議員(55)が就いた。46歳での議長就任は壱岐市議会で最年少となる。鵜瀬議長は合併前の1999年に旧芦辺町議に初当選し、通算5期目。深見副議長は03年に旧芦辺町議に初当選し、通算4期目。
副議長として2年間、町田議長を支え、庁舎建設特別委員長、国境離島活性化推進特別委員長として市政を左右する難問に取り組んできた鵜瀬さんが、議長に就いた。壱岐市議会でこれまで議長を務めた5人の就任時の年齢は62、63、62、76、60歳といずれも60歳以上だったが、鵜瀬さんは46歳。しかも議員として17年間のキャリアがある。これまで一般質問では常に新たな提案を執行部にぶつけ、ふるさと納税の使途に「子ども応援コース」を創設するなどのアイデアを実現させてきた手腕と若い発想に、市議会改革の期待が高まる。
鵜瀬議長は「政策が実現できる議会にしていきたい」と目標を掲げた。「市庁舎問題では、議会は市の追認機関なのか、という厳しい指摘を頂いた。決してそんなことはないと確信していたが、時間との戦いで審議を尽くしたか疑問も残ったし、市民に十分な説明ができていなかったことも痛感している。議会からどんどんと提案、発議を行い実現し、情報も積極的に公開していく」と明言した。
まず取り組むのが情報公開の強化。「市民オンブズマン連絡会議の調査で、壱岐市の情報公開度順位は全国250位以下。これを少なくとも100位台にしなければいけない」と数値目標を示した。そのアイテムとして活用を検討しているのがICT。「ICT推進特別委で議会へのタブレット端末導入を検討している。タブレット画面をモニターに映して、テレビを視聴している市民にも議会での質疑を判りやすくする。議案も市ホームページで公開すれば、それを見ながら議会を視聴できる」。
「基本姿勢は“オール壱岐”だが、その中心は子どもだと思っている。壱岐の未来を支える子どもたちのことをまず最重要視した政策を立案していくし、来年からは選挙権が18歳以上になるので、高校生にも興味を持ってもらい、理解を深めてもらうようにしていきたい。26日には子ども議会の開催を予定しているが、どんな提案が出てくるのか大いに楽しみにしているし、それを具体的な議案にしていきたい」と子どもたちの目線を大切にしていく考えを示した。
「9月には39歳の若い副市長が外務省からやって来る。議会で言い負かされないように勉強していかなければならない」と鵜瀬議長は気を引き締めた。