今年の干支「乙巳(きのとみ)」にちなみ、蛇にまつわる名所を巡るバスツアーが6日にあり、市民29人が参加。芦辺町瀬戸浦の龍蛇の浜と勝本町立石南触の熊野神社を観光した。
NPOの一支國研究会(伊佐藤由紀子理事長)が主催して昨年から開催。龍蛇の浜は龍蛇神社西側にある約百㍍の海岸で、柱状節理の平たい石が折り重なって龍の鱗を連想させる不思議な光景が広がる。参加者は龍蛇の浜で記念撮影をした後、龍蛇神社を参拝していた。
熊野神社(勝本町立石南触)は、剣にからまる蛇の石像「蛇神」を境内社として祀っている。王子五郎という大金持ちが鶏を飼っていたが、生まれた卵を蛇が食べてしまうため、木を彫って卵を作ったところ、蛇は飲み込み七日七晩苦しんで死んでしまい、王子五郎は蛇の祟りがないように蛇神を作り祀った。
蛇神の御神体は境内左側の石碑に祀られ、石の扉が閉じているため通常は見ることができない。ツアーでは伊佐藤理事長が由来を説明し、「通常、御神体は祭りの日にしか見ることができない。次回お越しになる時の楽しみに残しておいてください」と話した。
午後からのバスツアーを前に、日本自然保護協会自然観察指導員の永村春義さんと市文化スポーツ振興課の田中聡一課長補佐がガイドする原の辻遺跡復元公園の散策もあり、永村さんは「原の辻は田や水場がある渡り鳥の重要なポイント。広い平野や山を動物たちも利用している。動物が生きるためには色々なもの(植物)がミックスされている必要がある」などと解説した。
ツアーに参加した田口愛さん(勝本中3年)は「歴史が苦手で、少しでも興味が持てるよう参加した。分かりやすい説明で興味が持てた」、門口奈緒さん(石田中3年)は「歴史が好きだが、壱岐出身でも壱岐にこんな場所があるということを知らないことがあって、いい経験になった」と話した。