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20189/14

男児救出の2人と1団体表彰。1トンの石板をジャッキアップ。壱岐市消防本部

市消防本部(下條優治消防長)は7日、救急医療週間(9~16日)に合わせ、5月10日に勝本町布気触の市湯本支所敷地内で小学2年生の男児(7)が石の下敷きになった事故で、人命救助を行った郷ノ浦町新田触の自営業、寺田和男さん(71)、勝本町布気触の商店経営、品川健治さん(70)、壱岐市国民健康保健湯本診療所(平山長一朗院長)の2人と1団体を表彰した。男児は骨盤骨折などの重傷を負ったが、8月末には入院していた国立病院機構長崎医療センター(大村市)を退院。自力歩行で9月からは小学校に通学できるまでに回復している。

時15分ごろ、男児が友人と2人で、支所裏庭にある石を数段積み重ねた石碑に登って遊んでいた時に、その最上部の天板が崩れて、下半身が約176㌢四方、厚さ約35㌢、重さ約1㌧の石板の下敷きになった。石碑の崩れる音に気がついた湯本支所の職員が男児を発見。隣にある湯本診療所と、近くにある品川さん経営の商店に助けを求めに走った。用事があって同商店を訪れていた寺田さんは、品川さん、診療所職員らと6~7人で石板を持ち上げようとしたが、「ビクとも動かなかった」(寺田さん)。

そこで寺田さんは自家用車(軽トラック)に積んであった小型ジャッキを持ってきて、石板の下に差し込み、手動でネジを巻き、石板を30㌢ほど持ち上げた。石板と男児の間に空間ができた隙に、診療所職員らが男児を引きずり出した。救出後は体を温めるなどし、救急隊に引き継いだ。男児はドクターヘリで長崎医療センターに搬送された。寺田さんは「人の力ではどうしようもないので、持ち上げるにはジャッキしかないと思った。地面が柔らかかったのでジャッキを差し入れることはできたが、持ち上げようとするとズブズブと埋まってしまい、なかなか上がってくれないので焦った。ジャッキを一杯まで上げて、子どもを引きずり出した直後に、ジャッキが倒れて石板が落ちた。まさに間一髪だった。子どもが救い出された安心感など感じる余裕がなくて、引きずり出す前にジャッキが倒れていたらどうなっていたのかという恐怖感で一杯になった」と当時を振り返った。

品川さんは「昔からこの場所で商店をやっているが、普段は雑草に覆われているので、石碑があることなどすっかり忘れていたので、危険であることを認識したことがなかった。スズメバチが巣を作るので、草刈りをしたばかりだったので子どもに見えてしまったのだと考えると、責任を感じてしまう。現場を見た時には慌ててしまい、石を手で持ちあげることしか考えつかなかったが、寺田さんが冷静にジャッキを用意してくれた。その機転とジャッキアップ作業の豊富な経験があったから救助できたのだと思っている」と寺田さんの冷静な対応を称えた。品川さんは「救助した男児の顔を叩いても意識が戻らず、助かってくれるのか、後遺症が残らないのか、すごく心配していた。退院後に会いに来てくれて元気な姿を見て、とても安心した。子どもの生命力、回復力はすごい」と9月から学校に登校しているとの話を聞き喜んだ。

平山院長に代わって表彰式に出席した湯本診療所の井手春敏事務長(52)は「診療所には院長と女性スタッフ4人だけで、寺田さん、品川さんがいなかったら救出できなかったと思う。元気になってくれて本当に良かった」と話した。下條消防長は「救急隊が現場に到着した時には、救出された後だった。男児の意識がなかったが、搬送の途中に泣き出した。あと1分、救出が遅れていたらどうなっていたか判らない。このような現場に直面した時に、なかなか行動に移すことは難しいものだが、寺田さん、品川さん、診療所スタッフらが勇敢に、迅速に行動してくれて、尊い命を救うことができた」と感謝の言葉を述べた。




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