本市の県立高校2校を地域振興の核として機能強化と魅力向上を目指して県と市が連携する「壱岐市高校地域連携コンソーシアム」が13日、設立された。両高校や県教育庁のほか、壱岐市の観光、農漁業など関係13団体で組織。子どもの減少など背景に、県立高校の魅力向上と志願者増を目指す。
コンソーシアムは市が担当窓口を設置して運営主体を担う。地域おこし協力隊等を採用するなど専属職員を配置。地元企業と学校の連携を推進したり、島外生徒向け住環境の整備など「地域創生的機能」を担う。
県は高校魅力化のためのアドバイザー等を配置し、魅力ある教育課程を編成したり、地域課題解決型の学習を推進。起業家精神や産業人材の育成を図る。コンソーシアムの活動費は県と市が負担し合う。
芦辺町の壱岐テレワークセンターで設立会議があり、会議では規約や次年度事業計画案など承認。会長には篠原一生市長、副会長には壱岐、壱岐商業両高校の校長が就いた。
県の前川謙介教育長は「壱岐では今年3月に卒業する中学3年生が約240人。昨年の出生数は約120人。黙って待っていたら生徒の数が減り、(学校は)縮小となってしまう。今の体力があるうちに高校の在り方を魅力あるものにし、場合によっては島外、県外から生徒を呼び寄せられるような尖った学科を作るなど、一緒に連携しながら色々な展開ができれば」などと挨拶した。
壱岐の桑原鉄次校長はふるさと教育の地域課題探究活動について「進路指導に探究活動をどう繋げるかに重きを置いているが、うまく接続しきれていないことが現状の課題。生徒たちが探求を自分のものとして捉えきれていない部分が強い」と課題を述べ、「地域に繋げるコーディネーターの存在が大きい。ぜひ壱岐市の協力をいただければ進めやすくなるので相談させていただきたい」とした。