米マイクロソフト社によるウインドウズXPのサポートが9日に終了した。だが全国の地方公共団体が所有する約204万台のパソコンのうち、13%にあたる約27万台はまだ新OSへの切り替えができておらず、4月以降も業務で使用されることが明らかになった。
総務省は地方公共団体に対して「ウイルス対策ソフトを導入したとしても、不正プログラム感染や、不正アクセスによる情報漏えい等を防止することは困難」と警告し、OSの速やかな更新、当該パソコンの使用停止、やむを得ず使用する場合はインターネットに接続しないことを求めている。
サポート終了はずっと以前から判っていた。更新を行わなかった場合、個人所有のパソコンは、メールなどを通じて他人にウイルス感染を拡大させる心配はあるものの、個人情報の流失については自己責任となる。だが住民情報をパソコン内に保有している自治体の場合は、住民に多大な迷惑を掛ける可能性があるのだから、怠慢と言われても仕方がない。
壱岐市にもXPパソコンが多数ある。市議会定例会3月会議の一般質問で、市が所有する467台のパソコンのうち、182台はサポート終了までに更新が間に合わず、8月のリース契約更新時まで使用し続けることを明らかにしている。
その答弁の際、白川博一市長は「壱岐市の場合、サーバー自体のセキュリティで、ウイルスの侵入を防いでいる」と説明していたが、セキュリティ対策用のアプライアンス装置(ファイアーウォールなど特定の機能に特化した製品)の強度を高めていたとしても、根本的な対策とはなっていない。
他の自治体も更新が終えていない、という言い訳は通用しない。光ファイバー網を整備し、関連する企業誘致も進めている壱岐市が、セキュリティに対して甘い考え方を持っていたのでは、名乗りを上げるインターネット関連企業などあり得ないからだ。このXP問題で適切な措置を取り、アピールすることが、壱岐市の今後につながるはずだ。