壱岐市はこのほど、北海道東川町とパートナー制度を相互に活用する協定(エンゲージメントパートナー制度)を締結した。東京都で開かれた調印式に白川博一市長と東川町の松岡市郎町長らが出席した。本市のエンゲージメント(地域に対する愛着)パートナー制度は東川町との締結が第1号。東川町は旭川市の隣に位置する山間部の人口8千人余りの自治体だが、移住者増で注目を浴びており、2021年の人口増加率は北海道で1位を記録している。
協定内容は、①両自治体の課題解決と価値創造への取り組み②両自治体の人材育成への取り組み③両自治体のネットワークを活用した新たな取り組みなどで、具体的には両自治体職員が相互に出向き、それぞれが所有するテレワーク施設などを活用したテレワークを実施することにより、地域の特性や課題などを感じ取ることで持続可能な未来の共創につなげる。壱岐市職員2人は11月11~18日に、東川町職員は11月17~20日にそれぞれ派遣された。
白川市長は「国境離島の本市と人口増加が続く東川町の交流で、どんな化学変化が起きるか非常に楽しみにしている。職員の派遣により、鉄道、国道、水道のない町で、どうしてそんなに人口が増加するのか、その秘訣をどんどん盗んできて欲しい」と話した。
東川町で9日間の研修を行った市観光商工課・出口威智郎課長(47)は「この20年間で1千人以上も人口増加しているが、その多くの若い子育て世代だったことに驚いた。カフェなど自営している人が多い。移住に関しての優遇措置を取っているのではなく、妊婦対応や教育の充実に力を入れることで、安心して子育てができる環境を整えている。妊婦に対してタクシーチケットを配布する支援は、本市でもすぐに取り入れたい。家具の町の特徴を生かして、子どもが生まれると名前、生年月日、シリアルナンバーの入ったイスをプレゼントしているのもハートフルな政策だ。移住者はお金ではない幸せを感じているのではないだろうか」と感想を語った。