郷ノ浦町渡良浦でサソリのような虫がいるのが見つかった。
9月16日午前、同町の会社員の男性(40)が仕事で同浦を訪れ、作業員が休憩するコンテナを撤去するために吊り上げたところ、下から体長5~6㌢ほどの黒い虫を見つけた。
尾の反りかえった棘はないものの、体の前方に大きなハサミを持ち、その姿はサソリに瓜二つ。見つけた時には「なんでサソリが壱岐に、これは大変だ」と驚いたという。慌てて写真を撮っていると、近くの林に逃げて行ったという。
姿の特徴から「アマミサソリモドキ」と見られる。過去の文献や壱岐高校科学部の研究によると、クモ網に属する節足動物で、奄美大島などに分布。熊本県では天然記念物に指定されている。
遺伝子解析では、壱岐の個体は奄美大島や天草市牛深で採集された標本と同じグループに属していることが分かっている。本市では50年以上前から同浦のみに生息しているとされ、島外との交易で荷物などに入り込み侵入したと見られている。
夜行性で毒はないものの、尾から酢酸臭の液体を噴射するため、観察するときには注意が必要。
発見した男性は毒がないと知り「子どもたちに危害を加える虫じゃなくて、ほっとしました」と話した。