市内の犬と猫の保護を目的とした任意団体「壱岐島わんにゃんお守り隊229(にくきゅう)」(松嶋純子会長、村瀬史衣副会長)がこのほど設立された。
長崎市を中心に犬猫の保護活動をしているNPO法人「長崎わんにゃん会」の壱岐支部として活動していた松嶋会長(48)らが中心となり、活動を継承する形で新たな団体を設立した。5月25日現在、会員は17人で今後NPO法人化を目指している。
団体は壱岐保健所から依頼を受けた生後間もない犬と猫にミルクを与える「ミルクボランティア」をはじめ、ポスター掲示やチラシ配布など動物保護や適性飼養に関する啓発活動などを行う。
犬は生後2か月までミルクを与えた後、保健所へ返し、保健所が飼い主を探す。昨年から保護された犬の一部は、保健所が大村市の動物管理所へフェリーで輸送している。昨年度は53頭、本年度は5月23日までに23頭が送られ、ほとんどの犬が新たな飼い主へ譲渡されている。
一方、猫は保健所から依頼を受け、生後2か月までミルクを与えた後は、保健所に返すことはできず、団体が島内外から新たな飼い主を探し譲渡する。譲渡の際には避妊手術を必ず行うことにしている。避妊手術などにかかる費用は団体が一時的に立て替え、譲渡後に飼い主に請求することにしている。手術ができない生後半年以下の猫は、譲渡の際に手術をする約束を交わすことにしている。
会員の一人で広報を担当する小山智子さん(41)は3年前に本市に移住。「壱岐の動物の環境が厳しいと感じていた。こういった形で活動できることに感謝しています。一人でも多くの壱岐の方に知っていただいて、活動の支援だったり、活動できる人がいたら、一緒に楽しく活動できたらと思う」と話した。
壱岐保健所によると、令和2年度の殺処分数は犬が214頭で県内全体425頭の半数を占めている。猫は45頭(県内1528頭)。昨年度は犬218頭、猫42頭。
壱岐保健所は「殺処分頭数を減らすことや適性飼養は行政だけでは難しいところもある。目的は同じなので、協力して少しでも殺処分を減らしたい」としている。
同団体は活動支援の寄付や物資を受け付けており、すでにゲージやミルクなどの物資が島内外から届けられている。年会費は6千円。問い合わせなど詳しくはホームページ(https://iki299.jp/)へ。