7月末に市民有志が芦辺港2階待合室に設置したストリートピアノに、青森市出身の画家で昨年から本市に移住しているコガワ健太さん(35)がペイントを施した。
古川さんは有志から依頼を受け今月4日から着手。黒いピアノに白い塗料で下地を作った後、深江田原、空、海、夕焼けをイメージした緑、青、紫の塗料を塗り、ペンで猿岩やへそ菓子、はらほげ地蔵など壱岐の名所や特産物を織り交ぜ、クジラなどの生き物をぎっしりと描いた。中央に光が立ち昇るように開けたスペースは、神話に伝わる天比登都柱(あめのひとつばしら)をイメージしたという。
コガワさんにとっても立体物に描くことも白いペンを使うことも初の挑戦。「どこから見ても印象に残るようにしました。このピアノを通して、こういうのあったね、とコミュニケーションが広がる存在になれば」と話した。
依頼した有志の1人、小野一馬さん(35)は「コロナ禍でなかなか旅には出られない状況だが、進学や就職で島を出る人に思い返してもらえる存在になってほしい。絵の力は凄く、ピアノが弾けない人にも写真に収めるシンボリック(象徴的)になったと思う」と話した。
ペイント後は透明の塗料でコーティングを施し、20日頃には弾ける状態になる予定。