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「ホタル鑑賞を観光資源に」清水橋付近で幻想的に乱舞。

5月の壱岐の風物詩となっているホタルの乱舞がピークを迎えている。長崎地方気象台によると今年のホタル初見は5月6日で平年より14日、昨年より6日早く、20日前後がピークとなったが、26日になってもまだ乱舞が続いており、今年は6月に入っても鑑賞を楽しむことができそうだ。市内各所にホタル観賞ポイントが散在しているが、国道からすぐ近くで鑑賞できる郷ノ浦町平人触の清水橋周辺には、修学旅行の中学生がバスで訪れるなど観光客も多く、数千匹が乱舞する幻想的な光景に歓声が挙がった。ホタルの名所は全国各地にあるが、その多くは山の中など立地が悪く、手軽にこれだけ見事なホタル観賞ができるのは壱岐以外には少ない。今後は観光資源としてのホタルが注目されそうだ。

「日本書紀」や「万葉集」にもホタルに関しての記述があるように、日本では古来からホタルを鑑賞する「ホタル狩り」の文化があり、唱歌「蛍の光」、童謡「ほたる来い」などの歌でも親しまれてきた。昭和30~40年代の高度経済成長期になると河川の汚染が進み、ホタルの数が減少していたが、近年は下水道整備などで河川環境が改善され、再び増加傾向になってきた。

壱岐でもホタル観察数は増加傾向にある。名所である清水橋周辺など郷ノ浦町平人触の町谷川の清掃を定期的に行っている平人触公民館(41戸)役員の久保田恒憲さん(68)は「子どもの頃はすごい数のホタルが乱舞していて、そのホタルの光の中をかいくぐるように歩いていた。護岸工事などもあり一時は減少していたが、この数年はかなり戻ってきた。町谷川にもホタルの餌となるカワニナがびっしりと生息しているのが見える」とホタル復活の手応えを感じ取っている。

同公民館では毎年11月、ホタル鑑賞する人の安全を考え、川岸の草刈りを行っている。「川に落ちたり、ヘビに噛まれたりしたら大変なので、館員30人ほどが1日がかりで草刈り、野焼きなど清掃をしている。修学旅行生らに喜んでもらえるのは嬉しい。川さらいや養殖などでさらに環境を整えたいが、下手なことをしてかえって減ってしまったら困る。まちづくり協議会が設置されたら、各地の協議会が共同で専門家を呼んで指導してもらうなど、壱岐のホタルを観光資源としてもっと活用する方法を考えていきたい」と話した。

壱岐高校理科室は恒例となったホタルマップの作成を13日から始め、毎週更新して発行している。原口豊史教諭(34)は「理科室の教員5人、実習助手1人で手分けして、18か所の観察数をA~Eの5段階で調査している。気候に左右されるので一概には言えないが、私が調査した5年間では増えているように思える。これほど多数のポイントでホタルを観察できるのは壱岐だけなのではないか」と話した。ホタルマップは毎号百枚程度印刷し、壱岐高校と各港案内所などで配布している。壱岐で唯一のホタル情報であり、このマップを手にホタル探しをする観光客も多い。原口教諭は「作業は教職員にとって楽しみだが、将来を考えると不安もある。壱岐高校も生徒数が年々減少しており、それに伴い理科教室の教職員も減少している。継続していくためには市、地域の協力が必要になってくるかもしれない」と話した。

ホタル鑑賞は全国的なブームになっており、「楽天トラベル」や「じゃらん」などのインターネット旅行サイトでは毎年5月に「全国ホタル名所」を特集している。長崎市は1996年から毎年、市内16河川のホタル情報を市ホームページ、市役所、行政センターなどで公開。木場町の木場公園河川敷では毎年、ほたる祭りを開催している。佐世保市も2006年から市ホームページでホタルマップを公開している。ハイシーズン前の5~6月は観光資源が少ない時期だけに、今後の壱岐市の取り組みが注目される。

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