市中学校体育連盟駅伝競走大会(男子51回、女子33回)が3日、筒城浜ふれあい広場周回コース(男子6区間20・4㌔、女子5区間13・3㌔)で開催され、4校8チームが出場。男子は郷ノ浦A、女子は芦辺Aがともに3連覇を達成した。男子2位石田A、女子2位郷ノ浦Aとともに4チームが県大会(11月12日・長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場)への出場権を獲得。女子芦辺Aの田中亜可梨(2年)は1区(3・1㌔)で10分48秒をマーク。一昨年、加藤浩美(勝本)が記録した11分04秒を16秒更新する区間新を樹立した。
1区田中が区間新
5区大久保が逆転
田中、大久保舞香(3年)と全国区のランナー2人を抱える大本命の女子・芦辺Aだが、不安もあった。2~4区の3人はいずれも1年生。素質の高い3人だが、やはり経験豊富な2~3年生ほどの信頼度はない。昨年の2~4区はいずれも3年生が担当していた。
昨年に続いて1区を走る田中は、1年生たちが後続からのプレッシャーを感じず楽に走れるようにするため、圧倒的な差をつけることが大きな役割だった。その期待に田中は十二分に応えた。
スタートから飛び出すと、後続を大きく引き離す一方。区間新記録は単なる通過点で、1秒でも差を広げて襷(たすき)を1年生に渡そうと、普段は長距離レース後でも涼しい顔の田中が、ゴールで倒れ込んでしばらく起き上がれないほど自身を追い込んだ。その結果が2位大久保七海(勝本)に38秒もの大差となった。
田中は「目標の11分が切れたし、差も広げられた。満足できる自分の走りができました」と後輩に襷を託した。
この大量リードに2走以降の1年生は自分のペースで走ることができ、それぞれ区間3、6、3位と健闘したが、4区で遂に郷ノ浦Aに捉えられた。だがその差はわずか4秒。区間新をマークした昨年と同様にアンカーを務めた大久保にとっては小さ過ぎるハンデで、襷を受けた直後に首位奪還。郷ノ浦Aに瞬く間に39秒もの差をつけて、V3を達成した。
ゴールした大久保はしばらくの間、涙が止まらなかった。「1年生がよく粘ってくれて、3連覇は本当にうれしかった。でも自分のタイムは昨年の区間新に3秒及ばなかったのは悔しくて…」と気持ちを整理するのに時間が掛かった。
次の目標は県大会で昨年の5位以上の成績を残すこと。田中は「県大会では速い選手が沢山いる。もっとレベルアップしないと」と気を引き締め、キャプテンの大久保は「チームワークの良さを県大会で出したい」と健闘を誓った。
2区以降首位譲らず
6区甲原が急成長
男子は3年生5人を揃えた郷ノ浦Aが磐石の強さを見せた。昨年1年生ながらアンカーを務めた唯一の2年生・三浦壱太朗が1区を担当したが、本調子を欠いていたために2番手で2区へ。だが2区を務めたキャプテンの末永竜也(3年)がすぐに逆転。そのまま最後まで首位を守り抜いてV3を達成した。
末永は「調子の悪い壱太朗をみんなでカバーしようと、ひとつになれた。県大会は昨年11位だったので、今年は九州大会へ進める2位以内を狙いたい」と大きな目標を語った。アンカーを務めた甲原海人(3年)は今年になってメキメキ頭角を現した。「自己ベストは14分台だったので、13分33秒は30秒以上の更新です。みんなが自己ベストを更新すれば、県大会もきっとやれるはず」と目を輝かせた。