文化庁の「文化芸術による子供の育成事業~巡回公演事業~」で、12月10日に瀬戸小学校(末永統子校長、72人)で東京演劇集団風によるミュージカル公演「星の王子さま」が上演されることが決まり、本公演に先立ちこのほど、同校でワークショップが開かれた。
同劇団から「星の王子さま」の構成・演出を手掛ける浅野佳成監督と4人の俳優が来校。本番で児童が役者と一緒に演じるクライマックス場面などの演技、セリフ、歌を、役者らの指導の下、稽古した。最初は恥ずかしそうにしていた子どもたちも、役者たちと一緒に大きな声を出しているうちに、次第に作品の世界に引き込まれていく様子だった。
同劇団は「星の王子さま」を1989年の初演から1700ステージも上演しており、2014年からは九州北部地域を巡演している。本番は11月10日の福岡市からスタートしており、瀬戸小学校の公演はその巡演のラストを飾る。浅野監督は「作者のテグジュペリは世界平和のためにパイロットになったが、第二次世界大戦に召集されてしまう。この作品はその大戦の最中に遺書として書かれた作品。目で見えているものだけを見ていてはダメで、人間の心で見えるものが大切だと語っている。作品を鑑賞する子どもたちが、人間の本来持っている豊かさを発見し、劇団とともに舞台を作り上げていくなかで、心を揺り動かす経験、学校での思い出が生まれてくることを期待したい」と話した。
榎本理乃さん(6年)は「大きな声を出して笑うことで、楽しさを人に伝えられることが判った。歌は苦手だけど、12月の本番までにもっと練習をして、楽しい作品を作っていきたい」と本番で役者たちと一緒に作品を披露することを楽しみにしていた。