社説

自動運転特区に名乗りを。

日本の株式市場で時価総額トップのトヨタ自動車と、2位のソフトバンクが自動運転やライドシェアなど次世代の移動サービス事業で手を握った。4日、豊田章男社長と孫正義社長が共同で発表したことが大きな話題になっている。まずは両社が共同出資した新会社「モネ・テクノロジーズ」を活用して、今年度内に配車サービスなどの共同事業を開始する。その先には、トヨタが20年代半ばまでに開発する計画の完全自動運転車「イー・パレット」の普及も視野に入れている。商品を自宅まで運んでくれる移動型の無人コンビニや、患者を診察しながら病院まで送り届ける自動運転車など、ドライバーの要らない移動サービスの実現を目指す。まだまだ将来の夢だと思われていたことが、あと数年で実現されようとしている。

今後は、日本では自動運転の実証実験が大きな課題になりそうだ。米国や中国ではすでに本格的な実証実験がスタートしているが、日本では法整備が整っておらず、住民への周知徹底が難しい。それならば壱岐市がその実証実験地の特区として真っ先に名乗りを上げてはどうだろうか。壱岐市が採択されたSDGs未来都市の計画では自動運転が目玉だが、その計画内容は収穫したアスパラを加工工場に運ぶ工程を自動運転車で行うというレベルだ。もちろんその計画も画期的ではあるが、時代は日々急激に変化している。農作物を運搬する工程の実験だけでなく、その先を見ていくべきではないか。

実証実験には「離島」という条件が最適だと思われる。道路・自動車が閉鎖された空間であるため、他地域からの流入がない。人口規模が適度で市民に実験に関する情報の周知がしやすく、歩行者、複雑な交差点も少ない。市民の行動パターンが画一化されているためデータ収集も比較的容易に行える。壱岐にはSDGs採択という素地があるのが大きな強みになる。何が何でもこの実証実験を取りに行く気概を、市には見せてもらいたい。

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