社説

Iターン者の立場に立った改革を

syasetsu 第1回壱岐市人口減少対策会議が11月26日に開催された。初回だけに顔合わせと状況説明だけの内容だったが、年度末までにあと2回の開催が予定されており、専門部会の設置も予定されているだけに、今後議論が深まることに期待したい。
人口減少対策には移住促進、定住支援、地域インフラ整備、結婚・子育て支援、雇用確保、交流人口拡大による雇用創出など様々なアプローチがある。どれもが重要な課題だが、大掛かりなインフラ整備をしないでもすぐに着手できるのはIターン者の受け入れだろう。
内閣府が今年8月に行った世論調査によると、都市部に住む人のうち、「農山漁村地域に定住してみたいという願望がある」と答えた人の割合は約32%で、前回調査(05年)と比較すると約11ポイントも増加した。年齢別では20歳代が約39%で最多となっており、定年退職直後とみられる60歳代も約34%と興味を示している。
「田舎暮らし」に関する雑誌などでは毎回、離島が取り上げられているように、「離島」というキーワードは移住者に大きな魅力となっている。その中でも壱岐は、比較的温暖な気候、美しい海、豊富な食材などに加えて、高度情報通信ネットワーク、スーパー・コンビニ、医療機関なども、離島の中では極めて整備されている地域だ。市が積極的なアプローチを行えば、Iターン希望者は殺到しても不思議ではない。
市は昨年度から「壱岐市UIターン促進短期滞在費補助金制度を施行した。UIターン希望者が市内で住居、仕事を探したり、移住・就業を目的に視察などを行う場合、宿泊(2~14泊)料金のうち1泊当たり2000円を補助する。
だがこの金額では気軽に「視察しよう」とは思ってもらえない。しかもこの補助を受けるためには計画書、計算書、報告書、住民票、地方税の未納がない証明書などの提出が必要とあっては、その煩雑さの段階で移住する気も失せてしまいそうだ。まずはこの制度の改革に着手する必要がありそうだ。

関連記事

  1. 自動運転バス導入の検討を
  2. 社説・国に猛省を促したい原子力訓練
  3. 具体性が見えない地方創生
  4. 「オール壱岐」で壱岐島を盛り上げよう。
  5. 社説 定住・移住促進には現場の声を
  6. もっと便利なコミュニティバスを
  7. アクティブな市政を期待。
  8. 社説・新しい風と若さを求めた市民

おすすめ記事

  1. 伝承を検証「壱岐の元寇展」 一支国博物館で特別企画展開幕
  2. 下條雄太郎選手が記念講演 霞翠小学校創立150周年式典
  3. 安全運転で良いお正月を 更生保護女性会などが呼びかけ

歴史・自然

PAGE TOP