市特別職報酬等審議会(吉田寛会長)は11月21日、市役所郷ノ浦庁舎で第3回会議を開き、市三役(市長、副市長、教育長)と議員の報酬額を改定する答申を全会一致でまとめ、白川博一市長に答申書を提出した。改定額は1万5千円から3万5千円の増額(4・3%~6・1%増)で、来年4月1日からの実施が適当であると結論付けた。答申を受けた市長は同27日までに「市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」を4日開会予定の市議会定例会12月会議に上程することを決めたが、市三役の報酬改定は「昇給する時期ではない」と上程を見送った。
第3回会議は、これまで2回の会議と2回の事前打ち合わせ会でまとめた答申書案について議論。「人口規模が同程度の西海市(2万8370人=4月1日現在)の額を参考にすることが望ましい」「市の一般行政職員の初任給は平成17年から28年にかけて約4%アップしている」などの意見から、事前打ち合わせでまとめられた改定額に対して異論は出ず、増額する答申を決めた。
答申書には「県内他自治体の状況、本市の財政状況、民間企業の最低賃金の推移、地域の経済情勢等について協議・議論を重ね、市議会議員及び市長等として活動するにふさわしい額を定めることを念頭に、慎重な審議を行った」と審議経過を説明した。その上で「諮問された報酬、給料の額について『一般の市民感覚、市民感情からすれば、どの役職においても報酬等が高水準である』という意見がある一方、『市政を担う市議会議員及び市長等には、職務と職責に見合う報酬を設定すべきである』『議員については定数も減少しているため活動が広範囲化している。また、若い人の政治参入を促し、本市の発展を図るためにもある程度の額を保証すべき』『他の類似自治体と比較しても、本市の特別職の報酬は最低水準である』などの意見もあった」と答申額を導いた理由を説明した。また「壱岐市の活性化のため、さらなる活躍を期待します」との一文も加えた。
答申を受けた白川市長は「他の自治体の(報酬の)状況について、これまで知らなかった。答申内容を十分に尊重し、改定へ向け、私なりに判断したい」と話したが、答申から6日後の27日までに、市三役報酬の改定案を上程することは見送ることを決めた。市議会議員の報酬増額の議論は今後、審議会から4日開会予定の市議会定例会12月会議にその舞台を移す。