一支国博物館の第37回特別企画展「しまごと芸術祭2017」市民絵画・写真展の表彰式がこのほど開かれ、49作品(絵画34点、写真15点)の中から来館者の投票によって選ばれた絵画・写真各部門の最優秀賞(1人)と優秀賞(3人)に賞状、賞品が贈られた。受賞作品は同博物館3階ギャラリーで1年間展示する。全投票数は483票だった。
絵画部門最優秀賞は郷ノ浦町の会社員、高松利夫さん(39)の油絵「跳ねる命」。マグロ一本釣り漁師が壱岐の荒れた海でマグロと格闘する勇壮な景色を描いた。高松さんは「義父がマグロ漁師をしており、いまクロマグロが絶滅危機に瀕して漁師も大変な状況に追い込まれている。いまのマグロの状況と、古くから壱岐で受け継がれてきた、資源を守りながら漁をする一本釣りの文化を多くの人に知ってもらいたいと思い、作画した」と作品の背景を語った。子どもの頃から趣味で絵を描いていた高松さんは、昨年初めてしまごと芸術祭に出品して優秀賞を受賞。「今年は最優秀を、と昨年の表彰式直後から制作して2か月かけて描き上げた。観てくれた人の投票で選んでいただけたのが何よりも嬉しい」と笑顔を見せた。
絵画部門では大人に混じって霞翠小学校3年の吉田勇太さんが水彩画「あんこく寺に行って、絵を書いた。」で優秀賞を受賞した。吉田さんは「昆虫を描くのは好きだけど、建物は難しかった。大きな木の緑の葉の、光が当たっているところと当たっていないところの差に注意して描いた」と見事な陰影を表現したことなどが受賞につながった。
【絵画部門】▽最優秀賞 高松利夫「跳ねる命」▽優秀賞 下条吉和「小島神社の参拝後みつけたツツジ園」、長田康平「酉凧~飛躍~」、吉田勇太「あんこく寺に行って、絵を書いた。」
【写真部門】▽最優秀賞 牧山武「力水」▽優秀賞 伊佐藤由紀子「やさしいまなざし」、匿名「明日に向けて」、高瀬正俊「古墳で遊ぶ少女」
(敬称略)