第61回県展(県文化団体協議会など主催)の入賞者、入選者がこのほど発表された。
本市から入賞者はなく、入選は洋画部門の大久保未里さん、書部門の福田敏さん、写真部門の牧山武さん(2点)、松尾賢一さん(2点)の4人計6点だった。
入賞・入選作790点は16日まで佐世保島瀬美術センター、20日~30日まで諫早市美術・歴史館で展示される。今年度は本市での移動展は行われない。
洋画部門に水彩画「兆し」で入選した大久保さん(17)は本市入選者で唯一の高校生(壱岐高3年)。本市高校生の県展入選は近年はない。美術部に所属し、顧問の桑野雅嗣教諭の勧めで初めて県展に出品した。「先生からは、水彩は油彩に比べて不利だと言われていたし、プロの人も含めてすごい人たちが出品する県展で、まさか高校生の自分が入選できるとは思っていなかった」と驚きの表情を見せた。
作品は、石田町にある一本道の風景画(50号)。約4か月かけて制作した。空は厚い雲に覆われ、道路は冠水している悪天候の中、雲の一部に明るい光が差し、天候が回復する“兆し”が感じられる。「希望の兆しが見えてきた様子を、自分が好きな青、紫、水色、白だけで描いた」と大久保さんは作品への想いを語った。
子どもの頃からキャラクターなどを描くのが好きだったが、本格的に絵画に取り組んだのは高校入学後。「作品を描くようになって、これまで輪郭で見ていた物体に、奥行きがあることに気が付くようになった。生活の中でもいろいろと見方が変わってきた」と自身の成長を語った。
現在は10月16日締め切りの県高校美術展(県総文祭美術部門)に出品するため、「兆し」の構図を反対側から見た作品を油彩で制作中。高校生活最後を飾る展覧会で入賞を目指している。