一支国博物館は25日から、日本遺産第1号認定記念として、国指定重要文化財の「人面石」(原の辻遺跡出土品)、「金銅製亀形飾金具」(笹塚古墳出土品)、「中国北斉製二彩陶器」(双六古墳出土品)の特別公開を常設展示室で始めた。5月15日まで。「壱岐のお宝」として名高いこの3点が同時に公開されるのは、2010年の開館時の展示以来6年ぶり。
同館は今年度、壱岐が日本遺産第1号に指定されたことを広くアピールする展示を行っており、現在開催中の日本遺産写真パネル展、特別企画展「平戸松浦家と対馬宗家の家宝展」に続く第3弾となる。
松見裕二学芸員は「日本遺産に指定されたストーリーを構成する文化財10点のうち7点は、市内で実物を見学することができる。残り3点となる原の辻遺跡、笹塚古墳、双六古墳の出土品を博物館で展示すれば、壱岐の日本遺産すべてを見ることができると思い、特別展示を企画した。3点とも重要文化財のため展示は年間60日間の制限があり、またいずれも全国的に人気の高い出土品で他の博物館からの展示依頼も多い。亀形飾金具は1年間かけて保存処理を行ったこともあり、この3点を揃って当博物館で展示できる機会は滅多にない」と貴重な機会であることを強調した。
いまや本市の「顔」ともなっている「人面石」は、弥生時代の石製品として日本唯一、人間の顔をかたどった資料。亀形飾金具は亀(スッポン)を模した国内唯一の金銅製馬具。中国・北斉からもたらされた二彩陶器は、古墳からの出土例として日本最古。松見学芸員は「いずれも日本唯一、日本最古という肩書のつくもので、古くから続いてきた大陸との交流の歴史を感じてもらいたい」と話した。
常設展示室の観覧料は、島内在住者は一般3百円、高校生以下無料(島外からの来館者は一般4百円など)。
また博物館1階のミュージアムショップでは、亀形飾金具を3Dプリンターで作成したマグネット(580円)や、人面石クッキー(5枚入り720円)を販売している。