13日に福岡県宗像市で行われた「益子直美カップ小学生バレーボール大会」が話題になっている。元日本代表の益子さんが大会会長を務め5年目を迎える大会で、出場チームは「監督が絶対に怒らないこと」が条件になっている。益子さん自身、中学生の頃に「怒鳴られるのが怖くて、どうしたら怒られないかばかり考えていて、バレーが楽しくなかった」という。バレーボールの指導者には厳しい人が多いが、それでは子どもたちが楽しく、のびのびとプレーできない。ゲームに勝つことよりも、まずはバレーボールを楽しみ、好きになることを重要視して、この大会を企画した。その主旨に賛同し、今回も九州各県、山口県から参加した600人の児童がバレーボールを楽しんだ。
同様な考え方は他のスポーツにも広がりつつある。横浜DeNAの筒香嘉智外野手は14日の少年野球チーム・堺ビッグボーイズの体験会に出席し「昨年、ある少年野球チームの練習を見学した時に、指導者が指導というよりも暴言、罵声、事細かい指示を行っていた。子どもたちはできないのが当たり前なのに、なぜそれに腹を立てて怒っているのか。小さい頃から細かいことを詰め込み過ぎると、大きいスーパースターは生まれにくくなると思う」と話した。昨年はアメリカンフットボール、体操、ボクシング、相撲などスポーツ界で様々な問題が噴出した。「指導」の在り方がその大きな原因にもなっていた。筒香選手は「時代が明らかに違う。スポーツ界全体が変わらなければいけない。子どもたちのために変わる必要がある」と警鐘を鳴らした。
体罰が「罪」であることは以前より意識されるようになってきたが、まだ「指導」という名のパワハラに近い行為は根強く残っている。壱岐でも皆無というわけではない。強くなるためにある程度の厳しさ、規律は必要だが、まずは子どもたちがスポーツを楽しむことが強くなるための第一歩であることを再認識する必要がある。