観光シーズンの8月に燃油サーチャージ加算がなくなることは、壱岐観光にとって大きな武器となる。だが、いまのところ、観光業界に具体的な動きが見えていない。
5月から1ゾーンとなったことで、博多からのジェットフォイル往復は往復1700円も安くなっているのに、それを売り込むような情報は市や観光連盟ホームページに一切掲載されていない。
現在、市観光連盟ホームページに掲載されているツアー「いきいきフリープラン」は、4月1日から10月31日までの旅行期間のため、5月からの航路料金も、8月からの料金も、まったく反映されていない価格で募集されている。利用者にとってチャージ値下げの恩恵がまったく受けられていない。
6月6日には福岡ヤフオクドームでAKB総選挙が開催され、福岡市内、近郊のホテルは、カプセルも含めて満室となった。6日の総選挙と7日の後夜祭の2日間を鑑賞したいファンは、宿探しに苦心していた。そんな時に、6日の深夜フェリーで壱岐に来てもらい、半日間を過ごして、再び7日に福岡へ向かうプランを提供していたら、ファンも助かったのではないだろうか。福岡市内での宿泊料金を考えれば、フェリーでの壱岐往復は決して無謀な計画ではない。情報提供と仮眠所などの受け入れ態勢が整っていれば、来島客を呼び込むチャンスでもあったはずだ。
燃油サーチャージが低廉化されても、何もしなければ何も起こらない。いかに情報発信をしていくかが、壱岐市の今後の観光を左右することになる。
(高瀬 正俊)