陸上女子長距離界で活躍する十八銀行、肥後銀行、メモリードの3社の女子陸上部による合同壱岐合宿が17日から24日まで行われ、選手18人、監督・コーチら10人の計28人が来島した。十八銀行、肥後銀行は昨年に続いて2回目、今年4月に発足したメモリードは初めての参加。合宿前半は芦辺港や原の辻周辺、後半は筒城ふれあい広場の芝生や海岸沿いなど様々なコースを活用して、壱岐の自然、歴史を肌で感じながら、目標とする大会へ向けて調整に励んだ。
5月とは思えない高温が続いた1週間の合宿だったが、選手たちは暑さに耐えながら、1日30㌔のランニングメニューなどを黙々とこなした。トラックシーズンに入り、17日に九州実業団陸上選手権が終わったばかりだが、6月26日からは日本選手権五千㍍、1万㍍が控えており、3月の名古屋ウィメンズマラソンで6位(日本人4位)に入った十八銀行のエース・野上恵子を中心に、常に真剣な表情を崩さない緊迫感に包まれた合宿となった。
十八銀行・高木孝次監督(52)は「選手たちが生活を共にすることで、お互いに学ぶことが山ほどある。壱岐での合宿は、宿から10分以内の範囲に、複数のロード周回コースが取れるし、信号がない。車も少ない。時間を無駄にしないで練習に集中できる」と壱岐合宿の意義を強調。2回目の来島で壱岐での練習の要領も判ってきた。
島合宿誘致促進を目指す壱岐にとって、新たな武器となるのが今秋の完成を目指している「筒城浜ふれあい広場ジョギングコース整備事業」。中学、小学校駅伝などで使用している同広場の遊歩道(周回1㌔)を、約1億4千万円の予算で雨天時にも足が滑らないゴムチップウレタン舗装で整備を行う。
合宿中も中原康壽副市長が髙木監督を訪ね、コース幅、距離、傾斜についての要望を聞いた。「現在は1周1070㍍あるが、監督の意見を参考に、陸上競技の計測方法でちょうど1千㍍になるように整備を検討している。国定公園なのでコース幅全体(1・5~2・0㍍)を広げることはできないが、インターロッキングになっているスタート地点は広げられるし、カーブには傾斜をつける予定だ」と中原副市長は前向きな姿勢を示している。