第4回市議会庁舎建設特別委員会(鵜瀬和博委員長、15人)が13日に市議会議場で行われた。当初はこの日に建設場所についての採決を行う予定だったが、市民説明会が12~15日に開催していることから、「市民からの意見を十分に聞いた上での判断が望ましい」(鵜瀬委員長)との判断から、採決は次回以降に延期された。
新たな建設候補地として前回、市議から提案のあった「旧公立病院跡地」と「壱岐振興局・合同庁舎敷地」について市から調査報告が行われ、「旧公立病院跡地(6600平方㍍)は都市計画区域内にあり、開発基準に基づき区域内道路幅6㍍以上、歩道幅2㍍以上、消防ポンプ車が侵入可能であることなどが求められる。U字型の道路を設置すると、建物は3か所に分棟され利用者に不便だ。建設可能面積は合計で1800平方㍍が最大限で4階建てが必要。がけから建物を守るため擁壁が必要で、多大な費用が掛かる。駐車場も付近に設置する必要がある」など庁舎建設には不適当とした。
提案した田原輝男議員は「建物は4~5階でも良いのではないか。擁壁を作り、郷ノ浦庁舎を耐震補強して利用し、駐車場は立体化しても、費用は大谷公園よりも抑えられる。庁舎が3棟になっても構わないと思うし、2階から渡り廊下にすれば良い」などと反論した。
「壱岐振興局・合同庁舎敷地」は「敷地は県、財務省を合わせて7450平方㍍。ここに3階建ての庁舎を建てると駐車場の確保が困難。また振興局建物は5年前に耐震工事を行っており建て替えの考えは現時点でないと聞いている。国とは協議を行っていないが、各省庁と交渉が必要で相当な時間がかかり、期限内にまとめるのが難しい」とした。
提案した豊坂敏文議員は「もう少し早く協議をしていれば歩み寄りができていたはずだ。ここがだめなら盈科小、郷ノ浦中も候補になる。検討して欲しい」と新たな提案をした。
今西菊乃議員は「旧公立病院跡地の上には郷ノ浦幼稚園、壱岐ビジョンが入った建物、駐車場の土地がある。そこに建てることを可能ではないか」と指摘した。
赤木貴尚議員は前夜に行われた郷ノ浦会場での説明会について「説明会で市民の理解を得たのか」と問い質した。白川市長は「説明会では40分説明した。それでも理解していただけないのなら、繰り返し説明するしかない」と粘り強く説明していく方針を示した。
牧永護議員は「現在、執務室の共同化を行っている壱岐振興局農林水産部を、新市庁舎ではどのようにしたいのか」と市長の考えを問うた。白川市長は「まだ検証はしていない。一方的にお返ししますとは言えない。共同化をしたのは前知事の時代であり、現知事の考えをスクラムミーティングの席上で聞いて判断したい」と答えた。
また市は作成中の「壱岐市庁舎建設基本構想(案)」について、壱岐市庁舎建設検討委員会(菊森委員会)から答申を受けた基本構想(案)からの改訂部分について説明を行った。