先週号のインタビューで山本啓介県議がその採択の可能性について触れていた政府の地方創生人材支援制度、いわゆる「日本版シティマネージャー派遣制度」。採択されれば壱岐市にとって変革の大きなきっかけになるが、その内容は意外に知られていないようだ。
同制度は、原則として人口5万人以下の市町村を対象として、経験5~14年の若手国家公務員や、大学研究者、民間シンクタンク職員を主張の補佐役として派遣し、地方創生に関して総合戦略の策定、推進を担うもの。募集は100市町村規模としており、昨年11月から希望を受け付けた結果、144市町村が申し込みを行った。長崎県は他に島原市、対馬市、五島市が希望を出している。
募集人材は国家公務員が25人程度で、副市町村長・幹部職員(常勤一般職)として原則2年間派遣される。大学研究者・民間シンクタンク職員は、副市町村長・幹部職員(常勤一般職)を10人程度、顧問・参与等(非常勤特別職)を65人程度募集。常勤職は原則2年、非常勤職は原則1~2年の派遣期間となる。制度の期間は当面、総合戦略の計画期間と同じ平成31年度までの5年間となる。
募集は今月末まで行われ、2月下旬までに内閣官房まち・ひと・しごと創生本部がマッチングなどを行い、2月末までに内定。3月の地方議会で特別職の人事を承認すれば、4月からの派遣が決まる。
壱岐市は希望する人材として「国家公務員・常勤」を第1希望にしており、第2希望は空欄。希望が通れば、4月から副市長級で若手国家公務員が派遣されることになる。
制度には「地域の実情を知らない若手官僚が1人だけ派遣されて何ができるのか」という批判も一部にはあるが、官僚の頭脳の注入と、国との直接的な窓口ができることが、いまの壱岐市にとって悪いことはない。派遣者にサポートができる万全の受け入れ態勢を、いまから整えておくことが重要となる。