第32回長崎県消防操法大会(県、県消防協会主催)が3日、大村市の県消防学校で開催され、ポンプ車の部で壱岐市代表の芦辺地区第1分団は圧倒的な強さを見せて、県大会10連覇の偉業を達成した。同分団は11月8日に東京都江東区の東京臨海広域防災公園で開催される第24回全国消防操法大会(消防庁など主催)に県代表として出場する。小型ポンプ部門に出場した郷ノ浦地区第7分団2部(長島)は惜しくも準優勝だった。
トラブル克服し圧勝 32年ぶり全国制覇へ
ポンプ車の部で3番目に登場した芦辺地区第1分団は、いきなりトラブルに遭遇した。乗車直後に消防車がエンジンストップを発症。チェックミスでギアを入れたままエンジン起動をしたのが原因で、危険防止のため審査員から競技中断が指示された。
タイム計測前だったとはいえ、採点にどの程度の影響が及ぶか心配されたが、その後の競技は冷静さを取り戻して完璧に行い、終わってみれば210点。前回(2012年)優勝時にマークした201・5点を大きく上回る高得点で、2位対馬市に15点もの大差をつける圧勝。未踏の10連覇を達成した。
百田昌広分団長は「約束通りに10連覇の優勝旗を壱岐に持ち帰ることができた。これも応援してくれた皆さんのおかげ。この恩返しは全国大会での優勝以外にはないと思っている。さらに訓練を重ね、万全を期して大会に臨みたい」とポンプ車の部では1982年以来32年ぶり2度目、そして2年前の小型ポンプの部での石田地区第2分団第3小隊に続く出場2大会連続の「壱岐市日本一」を堂々と誓った。
惜しくも準優勝 郷ノ浦第7分団2部
小型ポンプの部の郷ノ浦地区第7分団2部は惜しかった。初の県大会出場で緊張はあったが、全体の2番目に登場すると、計測は42秒台。ミスも少なく、自信を持って後の競技者の出来を見守った。
結果は165点で、首位の五島市166・5点にわずか1・5点及ばず、壱岐市代表にとって2年連続10度目の県大会制覇はならなかった。だが、前回2位だった佐世保市は157・5点(1位の壱岐市は177・5点)で、例年ならば十分に優勝できた高得点。壱岐市のレベルの高さを改めて見せつける結果となった。
4日に石田・農村環境改善センターで行われた報告会で坂本龍彦分団長は「初出場で目に見えないプレッシャーがあり、風が強いという敵も加わった。だが待機線に立った選手たちの凛々しい姿に感動し目頭が熱くなった。テッペンを獲る約束は果たせなかったが、テッペンにふさわしい活躍をしてくれた。私は第7分団の分団長で幸せです!!」と涙を堪え切れずに絶叫した。
小型ポンプの部が全国に直結するのは次回の2016年大会で、同部門での壱岐市の連覇へ向けて、条件の厳しい2次離島で実務と訓練を続けていくことを誓った。
【ポンプ車の部】①壱岐市210点②対馬市195点③五島市186・5点
【小型ポンプの部】①五島市166・5点②壱岐市165点③時津町164・5点
◆芦辺地区第1分団(芦辺全域) 指揮者・播磨三吉(40)、1番員・村田博城(38)、2番員・篠﨑康輔(38)、3番員・中村天洋(32)、4番員・大川純視(31)、補助員・酒井勇三(41)
◆郷ノ浦地区第7分団2部(長島) 指揮者・徳島良太(37)、1番員・徳島博(38)、2番員・高山幸司(38)、3番員・徳島正次(43)、補助員・田本和也(26)