市庁舎建設に対する意見を聴取する市議会主催の「市民の声を聴く会」が7月28日から4日間連続で開催された。初日の壱岐文化ホールには約100人の市民が集まり、建設への反対意見、市議会の対応や市が実施したアンケートへの不満の声が渦巻いた。
6月20日に設置された市議会庁舎建設検討特別委員会の市山繁委員長から「市が実施したアンケートは1万1674世帯に配布され、1780世帯から回収された。(世帯別での)回収率は15・4%だった。集計はまだ行われていない」という回収結果について報告されると、会場からは失笑が漏れ「そんな低い回収率では集計結果は信用できない」「みんなあきれ返って回答する意欲が失せたのだ」と厳しい指摘が続いた。
挙手して意見を述べた市民は15人いたが、このうち市庁舎建設検討委員会の副会長を務めた長岡信一さん以外の14人はすべて「建設反対」の立場で発言した。
代表的な意見としては「人口減少の中で、庁舎建設どころではない」「まずは差し迫っている島内の経済問題を解決すべき」「合併特例債も借金だ」「またハコモノ行政での失敗を繰り返すのか」「もっと有意義な合併特例債の活用方法がある」「分庁方式の利点もある」などだった。
ただ、建設を行わない場合の現庁舎の耐震工事、分庁方式による経費増大、いずれは訪れる建設についての具体的な対応などへの言及はほぼなかった。
市山繁委員長は「市議会としては白紙からこの問題に臨んでいく。議員個々も地元などとの話し合いで意見を持っていると思うが、まずはこのような公の場で市民の意見を聞く機会が必要だった」と今後の特別委員会を公開方式で行い、市民に議論の進捗状況を示しながら、市議会としての意思決定を行っていく方針を示した。