市議会定例会12月会議は19日、最終本会議を開き、総額1億3700万円を減額する本年度一般会計補正予算案など20件を可決、市農業委員会委員の任命19件を同意し、散会した。
旧校舎の耐震強度不足による芦辺中学校の新築工事の工期が7か月遅れたことに関して、白川市長と久保田良和教育長の責任を明確にするため、市長と教育長の来年1月分の給与を、1か月間10分の1減額する議案に関しては、本会議を前に13日あった総務文教厚生常任委員会で意見が割れた。
同委員会では「これまでの減給は職員の不祥事の管理責任だったが、今回は民間業者に責任がある工事遅延。市長と教育長が責任を取ることはおかしな前例になる」との指摘があった一方、「大きな迷惑をかけたのに10分の1、1か月の減給は軽いのではないか」との意見もあった。
同委員会に出席していた白川市長は「私の責任は、生徒たちを耐震強度不足で危険な校舎に7か月間も長く通わせてしまった道義的なものだ。減額については、内部ではもっと重くするように進言したが、過去の例に倣うべきと言われた。私は10分の9でも良いと思っているので、委員会で決めてもらいたい」と発言した。
また建築主体業者(なかはら)に対しては指名停止5か月、損害金529万5060円が課せられたが、「設計監理業者(睦設計)に処分がないのはおかしい」との意見もあった。市は「設計監理業者は工程会議で工事遅延に対して指示を出しており、顧問弁護士に相談したところ、法的な責任は問えない、とのことだったので処分はしなかった」と説明したが、委員は「市長と同じで道義的な責任はあるはずだ」と主張した。
このため最終本会議に提出された委員会審査報告書では、委員会意見として「市長・教育長に直接、行政責任を問うべきではないが、行政責任を明確にしたいとする市長の発言により可決した」「監理業者も道義的責任は免れないと思料する」と付記し、全会一致で可決した。
また白川市長は閉会挨拶の中で、3月会議の新年度一般会計当初予算案に盛り込まれながら、予算特別委員会で執行保留となった健診センター建設事業(土地購入費、測量委託費、土壌汚染委託調査費)4466万4千円について「性急に結論を出すことは困難であり、一旦取り下げて3月会議で減額補正をし、新年度になってから再度、計画を検討する」と報告した。
健診センターは、これまで壱岐の島ホールなどで行っていた母子健診などを、県壱岐病院近くの土地を購入して新設するセンターに集約して行う計画だったが、委員会で「市に多くの遊休施設、土地があるのに、土壌汚染の心配がある民間の土地を購入する根拠が不明だ」などとして「議会の了解を得た上で執行すること」と条件が付けられていた。