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201911/22

山口幹雄賞に豊坂元子さん。第63回市美術展覧会

第63回壱岐市美術展覧会(市美術協会主催、15~17日・壱岐の島ホール)の表彰式が17日に行われた。出品数は絵画22人38点、彫塑工芸14人21点、書21人28点、写真14人27点の計71人114点。全部門の中から最高賞にあたる「山口幹雄賞」は、絵画部門に水彩画作品「噴煙上げる阿蘇中岳」を出品した勝本町の豊坂元子さん(70)が初受賞した。入賞作品(山口幹雄賞、県知事賞、市長賞、市教育委員会賞、新聞社賞、壱岐文化協会賞)と審査員らによる参考作品は特別展として、26日まで小金丸記念館2階で、27日から12月25日までは一支国博物館3階で展示される。いずれも入場無料。

豊坂さんは10年程前から、市美術協会事務局長、品川哲範さんの下で水彩画を本格的に習い始め、市美術展では2013~15年に市美術協会賞、16~18年に市教育委員会賞と6年連続で入選。今年は最高賞である山口幹雄賞を手にした。豊坂さんは「えーっという感じ。私なんかが山口幹雄賞とは、驚き以外の何者でもありません。品川先生をはじめ、指導して頂いた皆様のおかけです」と感激の表情を浮かべた。

作品は4年前に登山のために訪れた阿蘇で、中岳の噴火に遭遇した際の様子を描いた。「登山が趣味で、年に2回ほど出掛けている。噴火に遭遇するのは滅多にない機会なので、ぜひ作品に残したいと思った」と題材について語った。これまでの作品も風景画が中心。「山に登った時の風景は、そこに行かなければ経験できないもの。感動の気持ちを込めてその風景を透明水彩で描いている。写真撮影もアングルに気を遣いながら行い、山の上では時間がないのでスケッチはしないが、その状況などについてなるべくメモを残して、下山してからじっくりと作品に仕上げている」とこの作品も約3か月間かけて完成させた。

透明水彩は接着剤となるアラビアガムの分量が多く、色を塗った時に顔料と顔料の隙間ができやすいため、透明感が出る優しい色合いを出す手法。「混色ができず、白も塗れないため紙の白さを生かして明るさを調整するのが透明水彩の難しさであり、楽しさ。その中で噴煙の迫力を出すことが難しかったが、自分でもよく描けたと思っています」と作品には手応えを感じていた。

審査員代表を務めた品川さんは「透明水彩を巧みに使い、雄大な自然の拡がりと山の迫力をうまく表現した素晴らしい作品である」と講評。師匠から絶賛されたが、豊坂さんは「先生からは『手前に観光乗馬の厩舎を入れた点が、山の風景の拡がりを損なっているのがもったいなかった』という指摘も受けた。遠近感の出し方など、まだまだ勉強です」と今後も作品制作と山登りに取り組み、充実した70歳台を過ごしていく思いを語った。

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