12月14日の市議会定例会12月会議予算特別委員会は、わずか5分間で閉幕した。質疑は一切なかった。
同委員会で審議された一般会計補正予算額は約8億4千万円強、特別会計を含めて約8億8千万円を超える規模。主要事業としては、来年4月から施行される国境離島新法を活用するための主体となる「地域商社」の設立準備事業(百万円、補正後約2479万円)、産業支援センター「Iki‐Biz」の準備費用(312万円)や、電気自動車1台購入(約472万円)、教育旅行受け入れのためウエットスーツ2百着(2百万円)、天ケ原グラウンドのナイター設備改修(百万円)・防風柵改修(約271万円)などがあった。
熱心に勉強をしておられる市議にとっては、どの予算についても十分に把握していて、すべてが適正であり何の疑問もなかったから、質問など必要なかったのだろう。だが議会での質問は、疑問点だけを追求すれば良いわけではない。市にとって必要な事業に対しては「もっと予算を付けて積極的に進めるべき」という提言があっても良いはずだ。
さらに疑問なのは、今回の補正予算案には市長や市議らの賞与を引き上げる議案を反映した人件費も含まれていた。本会議最終日の採決で賞与引き上げ議案に6人が賛成しなかったが、予算委では誰も疑問を呈していない。賞与引き上げに反対ならば、補正予算案でも反対意見を述べていなければならなかったのではないだろうか。
そして何よりも、予算委を傍聴、テレビ視聴している市民にとって、1つ1つの事業の内容について知るためには、執行部からの説明だけではまったく不足している。市議との質疑応答によって、その事業の重要さを知ることができるのだ。
市議会が提唱する「開かれた議会」とは「市民に見せる議会」でもあるはず。2017年の市議会は、市議が懸命に仕事をしていることも市民に見せるような、活発な議論を期待したい。