社説

社説・原発問題、声なき声にも耳を

3月21日に本市で行われた玄海原発再稼働に関する説明会は、予想されたことではあったが、参加者からの質問・意見のほぼすべてが「再稼働反対」の立場でのものだった。
福島の現状を考えれば、大多数の人が「原発はない方が良い」と考えるのは当然のことだし、特に壱岐島の場合は本土と送電線で結ばれておらず、UPZ圏内というリスクだけを背負わされて、原発の恩恵は皆無なのだから、賛成・容認の理由を見つけることすら難しい。
だが反対を声高に訴えるだけでは解決しない問題もある。1日からまた電気料金が値上げされた。九州電力は標準的な家庭で平均78円の値上げとなった。原油コスト高騰がその理由だが、原発運転停止で火力発電の比重が高まっていることも要因の一つだ。
原発停止で電力会社の経営が厳しいと説明会で九電役員が言及していたが、社員の給与・賞与、役員報酬を大幅にカットしているわけではなく、そのツケを利用者に負担させるのは理不尽なこと。だがそんな文句を言っても値上げは実施される。所得が低い本市の多くの住民にとって、電気料金の値上げは家計に深刻な影響を与える。
悲しいことだが最近、本市で自殺者が多い。様々な理由があってのことなのだろうが、警察庁のデータによると原因の1位は「健康問題」、2位は「経済・生活問題」で、この2つの理由が約6割を占めている。健康問題の中には、借金苦などからうつ病を発症した人も多いという。
原発は廃炉経費などを考えたら、他の発電よりもコスト高だと主張する人もいるが、生活苦に直面している人にとって将来的なことを考える余裕はない。「電気料金を安くしてもらえるのなら、原発でも何でもやってくれ」という切羽詰まった声なき声があることも忘れてはならない。
原発再稼働に対して、本市はどのような態度を取るべきなのか、ただ反対するだけでなく、料金値下げなど条件闘争も含めて、真の民意を探るのも行政の重要な役割だ。

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