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去勢は平均百万円を突破。トータルも歴代最高を更新。壱岐家畜市場 定例4月子牛市

今年度最初のJA壱岐市定例4月子牛市が9、10日の2日間、芦辺町の家畜市場で開かれ、平均価格は90万4032円で昨年12月市場の90万705円を上回り、歴代最高価格を更新した。また去勢の平均価格は100万3591円で、初めて百万円の大台を突破する大商いとなった。上がり続けていた平均価格は前回の2月市場で、平成26年8月市場以来2年6か月ぶりに下落したが、すぐに回復し再びバブル景気の様相を呈してきた。(価格は税込み)

入場頭数は前回より63頭少ない725頭で、全頭が取引成立。販売金額は約6億5千万円で前回からは3200万円減少したが、平均価格は3万円、3・35%も上回った。特に顕著だったのは去勢の高値で、前回から5万8千円(6・13%)上回り、遂に百万円台となった。
場内で表示される税抜き価格で140万円を超える牛も2頭現れ、最高価格は140万5千円(税込み151万7400円)。場内表示で130万円超えが続々と登場し、購買者席からは「高すぎるよ」とため息交じりの悲鳴も上がった。
JA壱岐市の川﨑裕司組合長は「前回の価格が下がったので少し心配していたが、新年度に良いスタートを切れた。去勢が急激に高くなったのは、佐賀の肥育業者が新しい牛舎を建てて、まとめて100頭近くを購買して頂いたことが大きい。それだけに次回の6月市場の価格がポイントになる」と分析した。
大口購買の影響は確かにあったが、市場改革も着実に進んでいる。今回から生産者がカウンターの前に立ち、購買者に正対して売却希望価格のボタンを握った。川﨑組合長は「購買者から生産者の顔が見えることでより安心して購買できるようになるし、“ありがとうございました”という気持ちが伝わる。本人買い(希望価格に達せずに生産者自らが落札すること)も少なくなるはず」とその効果を話した。
これまで前半50頭までに行われていた再セリ(本人買いだった牛を、希望価格を下げて再入場させるセリ方法)も廃止して、より明瞭なセリ市にした。
種雄牛の世代交代も進んでいる。取引頭数では依然として壱岐が生んだ名種雄牛・平茂晴の子が全体の3割を超えているが、平均価格はやはり壱岐産の新鋭種雄牛・金太郎3の子が、平茂晴を上回った。去勢の平均価格は平茂晴が99万円台だったのに対し、金太郎3は106万円台。DG(1日当たりの増体量)も平茂晴の1・12㌔に対して金太郎3は1・18㌔だった。
9月7日から宮城県で4年に1度の第11回全国和牛共進会が開催される。大会で種雄牛日本一を競う「種牛の部7区」(総合評価群)の県出品対象牛には金太郎3が選ばれている。前回の8区に続いて連続日本一で長崎和牛の名声がさらに高まれば、金太郎3の子が多く入場する壱岐家畜市場に全国的な注目を集めることが間違いない。

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