ふるさと納税の寄付に対する返礼品について、総務省は上限の目安を納税額の30%にするように、各自治体に対して通達した。同納税が好調の本市は、返礼品が納税額の50%程度の商品を揃えている。今後は他の自治体の動向も見ながら、見直しを余儀なくされるかもしれない。
返礼品額が全国横並びになれば、通常では手に入れることが難しいもの、価格を付けることができないものなど、よほど特殊な商品をラインナップさせないと、本市が目立つのは困難になる。そのアイデアを募集することも必要だが、簡単に考え付くならどの自治体も苦労しないだろう。
それならば税金の活用方法で他の自治体と差別化を図ることも必要になる。そこで思い出されるのが、昨年7月に実施した壱岐市御柱祭りの費用負担を求めた自治体クラウドファンディングだ。御柱を曳くためのロープの調達などを目的に寄附を募り、59件計71万円が集まった。
御柱祭という全国的に知名度が高い行事に使われることで、これまでふるさと納税には興味を持っていなかった層にもふるさと納税制度をアピールでき、さらに御柱祭を壱岐でも行っていることを広く広報できた効果も大きかった。
ふるさと納税者にとって収めた税金の使途への関心は高い。もし市職員の給与などに使われるとしたら、誰も納税したいと思わないことだろう。壱岐市の場合は使途として3つのプロジェクトから選べるシステムになっているが、この説明では具体的なイメージがしにくい。
Iki‐Bizセンター長に就任が決まった森俊介さんは、クラウドファンディングを駆使して「森の図書室」や「FIGHTCLUB428」の事業を立ち上げ、軌道に乗せた実績がある。元手を掛けずに資金調達と宣伝というW効果を生み出した。
Bizの本来の目的からは外れるかもしれないが、まずは森さんに自治体クラウドファンディングで、その手腕を発揮してもらってはどうだろうか。