第10回全国国分寺サミット2015IN壱岐国分寺(壱岐市主催)が17、18日に一支国博物館などで開催され、「国分寺」という共通の史跡を持つ全国11自治体が参加した。
同サミットは、天平13年(741年)に国家の安寧を願う聖武天皇の詔(みこと)によって建立された全国66国と2島で構成する国分寺所在市町が一堂に会し、固有の文化遺産を活用した「まちづくり」について情報交換を行う場として平成12年に福岡県豊津町で第1回を開催。その後1~3年ごとに各地で開催し、今回が10回目。離島での開催は第6回(19年)の新潟県佐渡市以来2回目。本市の参加は第4回(17年、香川県国分寺町)、第9回(25年、岡山県津山市)に続いて3回目となった。
開会式で白川博一市長は「本市は国特別史跡の原の辻遺跡をはじめ国指定文化財10件など数多くの文化財を有している。今年4月に壱岐・対馬・五島地域が日本遺産第1号として“国境の島 壱岐・対馬~古代からの架け橋~”の認定を受け、これを機に壱岐の歴史文化を活かした交流人口の拡大と地域活性化を図っていく」と挨拶。
基調講演は元長崎国際大学大学院教授・立平進さんが「国境にある島につくられた国分寺の意義」と題し、国分寺を中心とした壱岐の歴史を解説。参加各市が地元の国分寺のお国自慢を行い、「我が街の国分寺の存在」と題したパネルディスカッションでは、それぞれの国分寺を活用した地域活性化策などについて討論。サミット共同宣言を唱えた。
18日は一般参加者も募って史跡見学ツアーが行われ、壱岐国分寺跡をはじめ双六古墳、カラカミ遺跡、勝本浦を探訪。双六古墳では普段は立ち入り禁止となっている石室内を特別に開放。全長11㍍、前室と玄室の2室構造になった横穴式石室の大きな石が積まれた状況や、石室壁面に描かれた船の線刻画などを見学した。