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小中学校の給食費無料化策を明言 白川市長が子育て改革案

白川博一市長は、早ければ来年度中に「小中学校の給食費無料化」「幼稚園授業料無料化」「保育園第2子以降の保育料無料化」「中学校卒業までの医療費無料化」という子育て環境の大改革を行う考えを示した。10日に開かれた市議会定例会9月会議一般質問で、市山繁議員、町田正一議員の質問に対して明言した。いずれの計画も10月末までに策定する市総合戦略に盛り込む方針だ。給食費無料化は一部助成も含めて全国50程度の自治体が実施しているが、長崎県で実施している自治体はなく、実現すれば県下初の取り組みとなる。
一般質問で市山繁議員は子育て支援策について「第2子からの保育料の無料化、小学校6年生までの医療費の無料化、小中学生の給食費の無料化の見直しは考慮していないのか、市長の政策として検討して頂きたい」と要望した。
また町田議員は「地方創生には他の自治体と同じことをやっていたのではダメだ。壱岐独自の強みを活かし、象徴的な政策であると市民の目に映るものであることが必要。壱岐市は合計特殊出生率が2・14で全国9位という素晴らしい数字なのだから、“日本一の子育ての島”を標ぼうするべき。そのためには給食費の無料化がもっともインパクトが大きい」と問い質した。
これらの質問に対して白川市長は「地域創生、人口減少対策のために、ぜひ考えなければならない課題だ。市総合戦略に幼稚園全子の授業料無料化、保育園は第2子以降の保育料無料化、医師会との十分な協議が必要だが中学3年生までの医療費無料化。これは大きな財源が必要になるが小中学校の給食費無料化を盛り込みたい」と幼稚園授業料、医療費無料を中学校までにするという、質問以上に踏み込んだ政策案を明言した。
町田議員は「来年4月1日から導入してもらいたい」と迫り、白川市長は「時期に関しては、来年は市長選に伴う骨格予算(知事選や市長選などの首長選を控えた自治体が、最低限必要な経費を盛り込んで編成する予算。例年より予算規模は小さくなる。選挙後の補正予算で、首長の意向を反映させた事業などを肉付けする)があるので、理解していただきたい」としたものの、「それでは6月からお願いしたい」とさらに追求されると、否定はせずに席上でうなずき、早急に取り組む意向があることを示した。
現在の給食費は小学校が年間4万1800円、中学校が同4万9500円で、小中学生合わせた計2400人分で年間1億1千万円程度。中学校までの医療費は正確な試算は難しいものの年間1億円以上、幼稚園授業料は年間3800万円程度、第2子以降の保育料は年間2500万円程度。すべての施策を実施すると年間3億円程度の市財政出動が予想される。また白川市長は、給食費無料化に適用できるような補助金はなく、「子育て特区」のような制度も適用できないことを示した。
全国では50程度の自治体で給食費の全面・一部無料化を行っているが、その財源は一般会計からの支出以外に、地方創生事業業の先行型交付金を活用しているところもあるが、この場合は期限が限られるため、人口減少対策への効果は薄くなる。
平成27年度一般会計予算が208億5600万円の壱岐市にとって、新たな3億円の支出は極めて大きな負担となるが、白川市長は「地方創生、人口減少対策に危機感を持って進めるためには、このようなことを考えていかなければならない。合計特殊出生率の2・14は確かに“子育て日本一の島”にふさわしい数字ではあるが、市民アンケートによると市民が望む出生率は2・91で、この数字を基に現在人口減少対策を考えている」とこの施策を地方創生の柱とする強い意志をにじませた。

 

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