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新庁舎は「那賀」か「亀石」 総工費試算は27~31億円 市庁舎建設 検討委員会答申

市庁舎(会見を行った長岡副会長(左)と菊森会長)

14日に白川博一市長へ答申した「壱岐市庁舎建設基本構想(案)」の内容が19日、壱岐市庁舎建設検討委員会(菊森淳文会長、17人)から発表された。注目されていた新庁舎の建設場所は、これまで明らかにされていた7か所の候補地の中から、防災拠点、面積要件、財政面などを考慮しながら、会長と県職員である1人を除く委員15人が投票。投票上位2か所となった「芦辺町那賀中学校跡地付近」(投票人数8人)と「勝本町立石東触亀石地区」(同2人)が建設候補地として選定された。
同委員会は建設場所について、①まちづくりの視点(市民が一体感を共有できる位置)、②機能性及び利便性の視点(交通の利便性、行政業務の効率化など、総合的に利便性の高い位置)、③防災拠点としての視点(地震、津波、原子力災害時において災害対策活動の中枢として行政機能を発揮できる位置)、④面積要件における視点(機能、規模、駐車場などを含めた面積の確保が必須条件)、⑤財政面における視点(市有地など極力事業費を抑えることが可能な位置)の5点について検討。数値化が可能な③④⑤については、○△×の3段階評価を実施した。
この結果、合併協定項目における「新市の事務所の位置」とされた「亀石地区」(敷地面積2万87平方㍍、標高86・5㍍)は、すべて市有地であり、庁舎を2階建て以上で建設する場合には面積要件がクリアでき、国道382号線が付近を通り交通アクセスが良いことなどから、2人が投票した。
「那賀中学跡地」(敷地面積2万6497平方㍍、標高117・7㍍)は一部に私有地が含まれているものの大半(2万3061平方㍍)は市有地であり、面積要件は問題なくクリア。市のほぼ中央部に位置し、市消防本部に隣接する立地条件などから、選定委員の過半数を上回る8人の投票が集中した。
両候補地はともに、過去に道路冠水などの風水害被害がなく、津波被害の心配がない高地であり、玄海原発のUPZ(緊急時防護措置準備区域)30㌔圏外に位置し、防災機能を満たしている。
ただし特記事項として、「亀石地区」は「付近に国指定史跡で県下最大の前方後円墳・双六古墳がある。土地の高低差があり、造成などに経費を要することが考えられる」と付記された。付近は古墳密集地がある原野で、土地調査で遺跡などが発掘された場合、工事着工が大幅に遅れることも考えられる。
「那賀中学跡地」は「中学校校舎などの建物を利用することができるが、場合によっては解体工事が発生する」とされ、老朽化した校舎、体育館の活用、処分方法が問題となる。また住民が居住する民家が敷地内、隣接地にあり、用地交渉や工事着工に時間を要する心配がある。
この候補地2か所は委員の投票数に関係なく、答申では併記された。菊森会長は「委員会としてはこの2か所を候補地に選定したが、建設場所については壱岐市にとって極めて大きな事案であり、今後、市民の意見を聞く機会を設けるなど、考慮する必要がある」と話した。
また答申全体に関しては「この案は委員の総意で作成された。旧町の利害を引っ張らず、出身団体関係なしに、壱岐市百年の大計としての率直な意見が述べられた。他の委員会ではなかなかないことだ。できる限り参考にして、適切な判断をお願いしたい」と全10回の委員会で真しな協議が行われたことを強調し、今後は市民、議会で活発な協議が行われることを期待した。
答申を受けて市は、同日に市議会全員協議会で説明を行った。今後の予定として「4月から5月の早い時期に、市内4か所で内容を市民に知らせる説明会を開催する。建設の可否も含めて議会、市民の意見を募り、その結果を受けてスケジュールなどを作成。平成30年度末の完成へ向けて、計画を進めていきたい。市民からの意見聴取方法については、今後検討していく」と話した。
【市庁舎建設基本計画(案)】(抜粋)
①現庁舎の現況と課題・新庁舎建設の必要性 本庁分散方式による弊害として、市民サービスに対しての問題、組織の縦割り傾向、各庁舎間移動による時間の浪費と燃料費等経費の増加が生じている。現4庁舎はいずれも現行の耐震基準以前に建設され、建設後34~41年以上が経過し老朽化が見られる。原子力災害におけるUPZが30㌔に定められた。これらの点から「新庁舎については建設すべきである」とした。
②新庁舎整備の基本理念 誰もが利用しやすく、市民の生命・身体・財産、安全・安心な生活を守る「防災拠点」であり、環境に配慮し、市の特性を活かした、市民参画の拠点としての庁舎とする。
③新庁舎の機能及び規模 防災、行政、議会、駐車場などの機能を有するものとする。
総務省・起債許可標準面積算定基準を参考にした算定で、庁舎面積は1万17・92平方㍍(職員298人で試算)、駐車場1万200平方㍍(一般来庁者100台、職員280台で試算)、、エントランス広場・緑地などを含めて、敷地面積は平屋で2万2217・92平方㍍、地上2階で1万8621・46平方㍍、地上3階で1万7422・64平方㍍。
建設費は、市内における建設工事(市消防庁舎)を参考に算出すると28億9千万円(合併特例債27億4400万円、一般財源1億4600万円)、国交省平成26年度新営予算単価による算出では27億5900万円(合併特例債26億2千万円、一般財源1億3900万円)、木造構造による建設での算出は31億900万円(合併特例債29億5200万円、一般財源1億5700万円)となる。
木造とRC構造の比較では、新庁舎の防災拠点施設としての位置づけ等を考慮した場合、RC造とする方が望ましい。木造の効果として環境、循環型社会に配慮した地域のシンボル的施設としての効果、庁舎全体に木のぬくもり等安らぎを与える空間の創出が考えられることから、内外装の仕上げ材、設備、備品等については可能な限り木材を使用する「木質化」が望ましい。
効率的な行政運営と市民の利便性の向上がさらに図られることから、壱岐振興局との執務室の共同化を推進することが望ましい。
新庁舎の建設時期は、合併特例債を活用する場合、その期限である平成30年度(31年3月31日)までに完成させる必要がある。スケジュール見込みとしては、▽基本計画・基本設計・実施設計(27年10月~29年3月)▽建設工事・付帯工事(29年4月~31年3月)▽新庁舎業務開始(31年4月)。
④建設場所(省略)
⑤現庁舎の活用 ▽現庁舎を解体する▽支所、出張所・事務所として活用する▽貸付または譲渡する、の3点について論議し、今後の維持管理費などを考慮し、解体することに賛成する意見が多く出された。解体、または貸付・譲渡する場合、市民サービスの充実を図る観点からも、各地域において行政窓口機能を維持するため、農協、漁協、郵便局等に行政事務の委託等を行う必要がある。

 

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