15日放送のNHKクローズアップ現代「食卓の魚高騰!海の資源をどう守る」で魚の漁獲制限について取り上げられ、太平洋クロマグロ漁獲制限について壱岐市マグロ資源を考える会の中村稔会長がVTR出演した。
太平洋クロマグロの資源はこの20年間で3分の1以下まで減少しており、中村会長は「あり得ないぐらい厳しい。このままではもう漁師が続かなくなる」と現状を指摘。同会が7日の会合で、マグロ資源回復のため産卵期の6~7月の2か月間、30㌔以上の産卵をする親マグロの禁漁を3年間行うこと苦渋の選択について話し合ったことが放映。中村会長は「ここまで壱岐の漁師が危機的状況厳しいことを国にも知らせたい。持続可能な漁業にするための第一歩と思って頑張らないといけない」と主張した。
同番組のスタジオ解説には、同会理事の東京海洋大学・勝川俊雄准教授も出演し、「大西洋クロマグロは厳しい漁獲規制を行ったことで、この6年間で3倍も資源が回復した。日本は1997年に7魚種について漁獲制限を行ったが、上限が漁獲量を超えているため効果は出ていない。規制が適切に行われていないことで、漁業者はむしろ被害者になっている」と現在の制度の欠陥を批判した。
また中村会長らは16日に東京・自民党本部で行われた同党水産部会資源管理ワーキングチーム(浜田靖一座長)第5回会合に出席し、今年度から国が実施する30㌔未満の未成魚の漁獲制限について「水産庁は未成魚の漁獲制限だけで資源が回復すると説明しているが、漁業者から見ると漁業の実態をまったく知らない議論だ。卵を産ませないと増加につながらない」と全国的に産卵期の親魚漁獲規制の必要性を訴えた。