社説

時には反則すれすれの大胆さも

地方創生は「アイデア勝負」だと言われている。そうは言っても斬新なアイデアをひねり出すのは難しく、各自治体でも苦労をしていると思うが、「こんなのアリなの!?」と思ってしまうようなニュースが流れた。
鳥取県が額面1万円のプレミアム宿泊券を4月1日午前9時から発売したところ、たったの4分で1万4千枚が完売したという。それには2つの大きな理由があった。
1つはその割引率。額面が1万円なのに対して、販売額は5千円。何と2倍ものプレミアムを付けた。通常の半額で宿泊、土産物購買ができるのなら「鳥取へ行ってみよう」と考える人が多いのも当然だろう。
もう1つが販売方法で、全国の大手コンビニに設置された端末で販売が行われた。面倒な手続きなしで購買ができたのだから、この効果も大きかった。
ニュースなどでは懸念材料も取り上げられた。「転売目的で購入した人がいたのではないのか」「プレミアム分は国の交付金で負担されるので、転売業者の利益に税金が使われるのでは」という疑念。1人当たりの購入枚数制限を行わなかったのは不備だったかもしれない。
だが鳥取県にしてみれば、販売した1億4千万円分が期限の11月1日までに、ほぼ間違いなく県内の宿泊施設163か所で利用されるわけだし、観光客は宿泊以外にもお金を使う。この商品券発売で鳥取県が注目を浴びた効果も大きかったことだろう。反則すれすれにも思える2倍プレミアム商品券だが、これくらいの大胆さがないと大きな注目を浴びることはないい。
壱岐市は1万円で1万1千円分利用できる1割のプレミアム商品券を5億5660万円(1セット1万1千円分、5万6百セット)分を発行する。観光客向けには2割プレミアムの「しまとく通貨」があるので、これは島内の地域消費喚起・生活支援型の事業となる。その必要性は認めるが、せっかく国の大きな支援があるのだから、鳥取県級の大胆な“攻め”も必要ではないだろうか。

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